激化するパ奪三振王争い…スタートダッシュの則本か、ペースアップの菊池か
則本はMLB記録に並ぶ8試合連続2桁奪三振を記録
今季達成された「球史に残る記録」の筆頭格は、楽天の則本昂大が4月19日から6月8日にかけて達成した「8試合連続2桁奪三振」だろう。それまで野茂英雄が保持した6試合連続というNPB記録を抜き、MLBの記録に並んだ。しかし、それ以後ペースは落ち、8月12日のオリックス戦は完封したものの7奪三振にとどまり、今季の奪三振数を158として西武の菊池雄星とリーグ首位を分け合う。
則本は記録期間中の8試合を7勝0敗、90奪三振、64回を投げて自責点16、防御率2.25という好成績を残した。このペースなら、4年連続の奪三振王は当確と思われた。だが、それ以後の登板7試合では、2桁奪三振を記録したのは1試合だけ。3勝2敗、56奪三振、49回を投げて自責点20、防御率3.67。決して不調という成績ではないが、記録続行中に比べればやや調子を落としているとも言える。一方で、この間に菊池雄星が、どんどん調子を上げてきた。
両投手の月別の奪三振数を比較しよう(K=奪三振)
○3、4月
則本 32K(26回 防御率3.81 K/9=11.08)
菊池 38K(37回 防御率1.22 K/9=9.24)
○5月
則本 46K(32回 防御率2.25 K/9=12.94)
菊池 31K(29回 防御率1.24 K/9=9.62)
○6月
則本 41K(32回 防御率3.38 K/9=11.53)
菊池 32K(31回1/3 防御率4.31 K/9=9.19)
○7月
則本 26K(19回 防御率2.84 K/9=12.32)
菊池 34K(22回1/3 防御率0.81 K/9=13.70)
○8月
則本 13K(15回 防御率3.60 K/9=7.80)
菊池 23K(16回 防御率2.81 K/9=12.94)
○今季通算
則本 158K(11勝3敗 124回 防御率3.12 K/9=11.47)
菊池 158K(11勝5敗 135回2/3 防御率2.06 K/9=10.48)
圧倒的なK/9の数値で、5月以降の奪三振レースをリードしてきた則本を、7月から急激にペースを上げた菊池が捉えた。