激化するパ奪三振王争い…スタートダッシュの則本か、ペースアップの菊池か

7月からペースアップの菊池、2011年ダルビッシュ以来の250K超えの可能性も

 則本は8月2日の西武戦で6回を投げ自責点6、奪三振6で敗戦投手。登板間隔が空いた8月12日の登板は9回を完封したが、奪三振は7にとどまった。最近の登板は、三振を奪うよりも打たせて取ることが多くなっている。同時に、まるで則本と入れ替わるように、8月の菊池はパワーピッチを見せている。

 則本は3年連続で奪三振王になったが、これまで最大のライバルは奪三振数で2016年は3位、2015年は2位、2014年は3位に入った日本ハムの大谷翔平だった。今季大谷は1試合しか登板していないが、代わって大谷の花巻東高の先輩である菊池雄星が挑戦者として名乗りを上げた。

 K/9というスタッツは「9」を超えればパワーピッチャーと定義されるが、今季は2人ともK/9は「10」を大きく超えており、奪三振ペースは極めて高い。このままいけば、2011年に日本ハムのダルビッシュ有(276奪三振)が記録して以来となる250奪三振越えが期待できる。

 現段階の勢いから言えば菊池が有利に見えるが、これかで故障が多かった菊池は昨年投げた143回がキャリア最多投球回。8月中にも未知のイニング数に入る。プロ入り以来4年連続で170回以上を投げている則本の方が、ここからは経験値は高いと言えるだろう。

 2人の奪三振数はどこまで伸びるだろうか。2位、3位で競り合う楽天、西武の順位争いとともに目が離せない。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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