鳥谷敬の三塁コンバートは成功したのか…データで見る昨季との貢献度の差

守備の負担が少ない三塁へのコンバートが奏功

 遊撃手としての鳥谷は、昨年はチームのウィークポイントと言われていた。

○2016年セ遊撃手のRF(1試合あたりのアウト処理数)ランキング
(規定試合数以上)
1田中広輔(広) 4.83
2坂本勇人(巨) 4.72
3堂上直倫(中) 4.68
4倉本寿彦(De) 4.01
5大引啓次(ヤ) 3.87
6鳥谷敬(神) 3.75

 1試合あたりのアウト処理数では、昨年の鳥谷敬は1位の田中(広島)と比べて1個以上少なかった。投手がゴロを打たせても、安打にすることが多かったと言えよう。連続試合出場こそ続けていたが、攻撃でも守備でも限界が近づいている、と思われていた。

 そんな中、鳥谷は今季から三塁手にコンバートされた。

○2017年セ三塁手のRFランキング
(規定試合数以上)
1マギー(巨) 2.26
2安部友裕(広) 2.23
3宮﨑敏郎(De) 2.12
4鳥谷敬(神) 2.08

 鳥谷は、三塁手として守備範囲が広いとは言えない。しかし、1位マギーとの差は1試合あたり0.18、三塁手は遊撃手よりも守備機会が少なく、チームに与えるマイナス面の影響はそれほど大きくない。

 守備の負担が遊撃手より軽い三塁手にコンバートされたことで、鳥谷の打撃は復活した。そして、攻撃と守備の総合点でも、鳥谷の貢献度は昨年より大幅にアップした。

 ヤクルトの宮本慎也など、遊撃手から三塁手にコンバートされて息を吹き返し、選手寿命を延ばした例は過去にもある。鳥谷敬もコンバートの成功例になったのではないか。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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