広陵・中村はプロでも「即戦力」 名将・野村克也の“右腕”が絶賛する理由

専門家が絶賛する中村の「頭」、「ゲームで使えば使うほどうまくなっていく選手」

「本人が『軸をすごく意識している』と言っていたのを聞いたことがあります。その他のことについても、考え方がしっかりしている。『軸をきっちりする』というのは、ある意味では普通のことですが、高校野球の選手がそこまで言えるか、という部分もある。彼の話を聞いていて、真剣にバッティングに取り組んで、勉強している、というのを感じました。『ポイントを近くしておいて、軸で回転する』というような言葉が出ていたけど、知識が知恵になる、ということを感じるような話をしていた。頭もスマートだと感じる選手です。

『心技体』を軸に考えた時、技術の成長というものは常にある。体が大きくなって技術がぐっと伸びるのが中学、高校の時期です。そして、プロに入ってきた時に、心が伸びると技術が成長する。そういう成長曲線があるものです。中村くんはそのレベル、つまり、プロに入っても技術を伸ばしていけるようなところにきている。話の内容を聞いていると、プロに入っても成長曲線が早いという要素を感じる選手。そのくらいのレベルにある。『心技体』の『心』はなかなか年齢がいっていないと難しいけど、すでに、かなりレベルが高いところまで成長しているんじゃないかなと思います」

 プロで大成するのは、自分で考えられる選手。自分を持っている選手。中村はそれに当てはまるという。なおかつ、プロ入り後すぐに成長が期待できる「頭」の持ち主。だからこそ、「即戦力」だというのだ。そして、プロの試合で経験を積み、成長していくべきタイプだと、松井氏は指摘する。

「基本的には、プロに入ってきた以上は自分の考え方がしっかりしている中で、自分の意見を言える、自分の考えた行動が出来る、ということが大切です。つまり、自立がなかったら駄目。プロの打席で自分の考えで行動できなかったら、力は出ない。

 どういうレベルの選手でも、矯正というのが必要になります。ただ、言われたことを自分で考えられれば、矯正期間というのは短くていいわけです。中村は矯正期間を短くして、自分で成長できる。そう感じる選手。潜在能力がある。ゲームで使えば使うほどうまくなっていく選手になるんじゃないかと感じます」

 同じ高校生投手を圧倒し、すでに高いレベルにあることを結果で証明してきた中村。ただ、育成のスペシャリストから見ても、プロ入り後にさらに限りなく、スピード感を持って成長が期待できる身体能力や思考能力の持ち主だという。

 いつの時代でも、NPB球団にとって、打てる捕手は喉から手が出るほど欲しい存在。その実力で一躍、この夏、そして秋のドラフトの主役に躍り出た強打者が、まずは決勝でどこまで記録を伸ばすのか、大きな注目が集まるところだ。

(Full-Count編集部)

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