ロッテ井口が“原点”福岡で抹消前の最終戦「色んな思いが込み上げてきた」

握手を交わすソフトバンク和田毅(左)とロッテ・井口資仁(右)【写真:藤浦一都】
握手を交わすソフトバンク和田毅(左)とロッテ・井口資仁(右)【写真:藤浦一都】

引退試合は9月24日日本ハム戦「それに向けてキャンプしてきます」

 8年間を過ごした日々を思い出すかのように球場を見渡した。今季限りで現役引退を決めたロッテの井口資仁内野手。ダイエー時代に本拠地としていた福岡でのラストゲームとなった27日のソフトバンク戦(ヤフオクD)。6回の第3打席で中飛に倒れてベンチに戻ると、ベンチの最前列で感慨深げな表情を浮かべていた。

「途中、3打席が終わったところで球場を見ながら、色んな思いが込み上げてきましたね」

 國學院久我山高から青山学院大を経て、ドラフト1位で1997年にダイエーに入団。プロとしてのキャリアをスタートさせた。1年目の1997年5月3日の近鉄戦。プロ初先発初出場、プロ初安打、さらにはプロ初本塁打となる満塁本塁打を放ったのは、この福岡の地だった。

 デビュー後は、球界を代表する打者へと成長していった。今年5月25日ソフトバンク戦で今季唯一となる本塁打を放ち、史上60人目の通算250本塁打を達成したのも、ここヤフオクドーム。何かと縁深い地で「プロをスタートさせた地ですし、自分自身、プロ野球選手として成長させてもらった場所」という。26日には、プロ入り時の監督だった王貞治ソフトバンク球団会長とも言葉を交わし「よく頑張った。ここまで出来たのは強運だ」と声を掛けられたという。

 試合終了後には、左翼のロッテファンだけでなく、グラウンドを一周して右翼や内野席のソフトバンクファンにも挨拶に回った。ロッテファンからの井口コールはソフトバンクファンにも広がり、スタンド中に響いた。さらにソフトバンク応援団からはダイエー時代の応援歌も。ダイエー時代にチームメートだったソフトバンクの工藤公康監督、そしてこの日先発で対戦した和田毅から花束を送られ「最後は本当に嬉しかったです。かつてのチームメートの工藤さんも迎えてくれて良かったです」と感謝した。

 28日には出場選手登録を抹消され、残すゲームは引退試合となる9月24日の日本ハム戦(ZOZOマリン)のみ。最後は「24日にありますから、それに向けてキャンプしてきます」と言い、福岡でのラストゲームを終えた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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