「マドンナジャパン」が初戦快勝 ハプニング乗り越え橘田新監督の初陣飾る

「マドンナジャパン」監督の橘田恵【写真:Getty Images】
「マドンナジャパン」監督の橘田恵【写真:Getty Images】

アジアカップ初戦で韓国に勝利も…開幕前日に「木製バットのみ使用」と通達!?

 香港で行なわれている「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」が2日、開幕した。18歳以下の選手の臨んでいる野球女子日本代表「マドンナジャパン」は韓国との初戦に挑み、11-0の5回コールドで圧勝したが、試合前には国際経験豊富な橘田恵新監督も驚くハプニングに見舞われた。

 日本女子代表史上初の女性監督として、初陣を飾った試合後の指揮官の第一声は勝利の喜びではなかった。

「試合の中身は想定できていたんですけど、試合以前の問題で。キャッチボールをしてはいけないとか、する場所がないとか、そういったところでは想定外がたくさんありました。選手がいかに動揺しないかという配慮はこちらもしないといけないなと改めて感じました」

 オープニングゲームの香港-パキスタンが終わり、一塁ベンチに移動した日本。球場に隣接する打撃ケージで打撃練習を行い、外野のライト付近で数人がキャッチボールを始めた。しかし、キャッチボールは外野フェンスの奥で行うように指示が出され、移動して再開したが、同じ場所では翌日に備えてチャイニーズ・タイペイが練習していた。

 その後、「中でトスバッティングもOK!」となり、選手たちは再び、ライト付近でキャッチボールを開始。ところが、またしても外野フェンス奥でキャッチボールをするようにと指示が変更され、選手は右往左往するしかなかった。それでも、選手たちは1つ1つの指示の変更を聞き逃さずに対応し、試合に臨んだ。

 指揮官は「香港は国際大会を行うのが初めてということなので、そういった部分で全体的な周知ができていなかったんじゃないかなと思います」と擁護したものの、前日の監督会議では「今大会は木製バットのみ使用」といきなり言われたという。「『木製バット、持ってきていません』って。そういう状況から始まりましたので。(あらゆるハプニングに対して)準備はしてきたんですけど、はるかに私の想定を超えています」と苦笑い。「これも国際大会と言い聞かせています。過去に? ないですね(笑い)。キャッチボールをしていて怒られたことはないですね。怒ったこともないです」と話し、「いい勉強になります。本当によくやってくれました」と選手たちを労った。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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