「エース格」の証明、「一流」の条件 “久々”の2桁勝利に挑むパの投手たち

楽天・岸孝之【写真:荒川祐史】
楽天・岸孝之【写真:荒川祐史】

投手の活躍を示す分かりやすい指標の1つ、ウルフは5年ぶり2桁勝利に王手

 プロの投手にとって、その活躍のほどを示す分かりやすい指標の1つが「2桁勝利」だろう。昨季、パ・リーグで10勝以上を挙げた投手は12人だ。打線との兼ね合いもあって、毎年限られた選手しか成し遂げられないこの記録。これを何年も連続して続けるとなると、当然、その難易度は跳ね上がる。そんな中、「2桁勝利」という栄誉へと再び手をかけている投手たちを紹介していきたい。

 まず埼玉西武のウルフだ。今季で日本球界8年目となるベテランは、2010年、北海道日本ハムで日本球界でのキャリアをスタートした。この年の終盤から先発投手として起用されると、翌2011年には12勝を挙げて、自身初の2桁勝利をマーク。翌2012年も、安定した投球でチームを支えて10勝と、先発投手としての実績を積み重ねた。

 しかし、2013年に9勝を挙げて以降は、なかなか勝ち星が伸びないシーズンが続く。2014年にトミー・ジョン手術を受けたこともあり、福岡ソフトバンクに移籍してからの2年間で挙げた勝ち星は4つだった。しかし、昨季途中に外国人投手の不振に苦しんでいた埼玉西武に加入すると、先発した4試合全てで勝利した。

 先発ローテーションの一角として開幕から登板を重ねた今季は、動くボールを駆使し、持ち前の打たせて取る投球でゲームを支配。4月30日の千葉ロッテ戦では、7回を69球でまとめる好投を披露し、今季両リーグ最短の2時間10分という試合時間を演出した。毎週日曜日に登板し、「サンデーウルフ」の愛称で一気に埼玉西武ファンを虜にした右腕は、すでにここまで9勝を挙げている。実に5年ぶりとなる2桁勝利へ、その歩みは止まらない。

岸は3年ぶり、十亀は2年ぶりの2桁勝利へ

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