ハム大谷、理想と現実の間 163キロ&5回零封も「ピッチングにはほど遠い」

日本ハム・大谷翔平【写真:(C)PLM】
日本ハム・大谷翔平【写真:(C)PLM】

MLB16球団の前で160キロ以上を6球、栗山監督は「ゼロに抑えたことに意味がある」

 日本ハムの大谷翔平投手が12日、本拠地での楽天戦で今季初勝利を挙げた。メジャーリーグのスカウト16球団32人が見つめる中で今季3度目の先発マウンドに上がり、6回途中1安打無失点と好投。今季最速となる163キロを含めて160キロ以上を6球計測した。チームは7-0と快勝した。

「こんなに遅れてしまって申し訳ないという思いもありますし、今日いいピッチングを見せられて、勝って良かったなと思います」

 今季初めて上がったお立ち台では、この日を待ち望んでいた3万人近い観衆に直接思いを伝えた。本格的に投手復帰した前回8月31日ソフトバンク戦では、4回途中3安打4失点、64球で降板して負け投手になった。そこから中11日で大きな進歩を見せた。

 初回先頭の島内を143キロのフォーク、3番の銀次を159キロ直球で空振り三振に仕留める上々の立ち上がり。2回1死一、二塁のピンチを迎えると、ギアを上げた。茂木への3球目は今季最速の163キロをマークして、最後は143キロのフォークで投ゴロ。続く聖沢は161キロ直球で遊ゴロに打ち取った。

 5点の援護をもらって上がった6回。2アウトを奪ったところで予定されていた80球に迫る78球となり降板した。

「球数を抑えて3人目まで行ければ良かったんですけど…。もうちょっと行けるかなと思いましたが、元々決まっていた予定なので。次はもう少し投げきれたら」

 イニング途中での降板に大谷は悔しさをのぞかせた。だが、栗山英樹監督は「あそこは2人と決めていた。ゼロに抑えたことに意味がある」と評価した。

「1個1個のボールで抑えた」「ピッチングというにはほど遠い」

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