接戦、圧勝…感動を呼んだ過去7回の広島優勝の瞬間、今年はどんな展開に…

1986年は長嶋の満塁弾で阿南監督が宙に舞う

 1986年10月12日、残り1試合で広島はマジック「1」。神宮球場でヤクルトと対戦した。敵地ながら超満員5万人の観客が集結。広島は長嶋清幸の満塁弾などで3回までに7-0とリードし、6回に3点を返されたが8-3で勝利した。先発だった北別府の後を受け、この年抑えで大活躍した津田恒実がマウンドに上がり、セーブはつかない状況だったが、1回を3者凡退で切って取り優勝投手となる。広島は8月31日には巨人に5.5ゲーム差をつけられていたが、その後、21勝8敗と驚異的な追い上げを見せて逆転優勝。この年、古葉監督から采配を引き継いだ阿南準郎新監督の体が宙を舞った。

 1991年10月13日、マジック「1」だった広島は、本拠地・広島市民球場でダブルヘッダーを戦った。第1試合は阪神に延長10回の末、2-3で敗北。2試合目、広島は4番西田真二のタイムリーで初回に挙げた1点を、先発の佐々岡真司、そして春に闘病生活に入った津田恒実に代わり、クローザーとなった大野豊が守り切って勝利。就任3年目の山本浩二監督には初優勝となった。

 2016年9月10日、この年は6月5日に首位に立ってから独走した。8月24日にはマジック「20」が点灯。その後もペースは全く落ちず12勝2敗、マジック「1」で2位巨人と東京ドームで対戦した。広島は初回、坂本勇人の2ランで先制を許すが、3回にはその坂本の失策で1点を返し、4回に鈴木誠也、松山竜平の連続本塁打で逆転に成功。6-4で25年ぶりリーグ優勝を果たした。「男気」黒田博樹が9勝目、中崎翔太が33セーブ目。緒方孝市監督は就任2年目での優勝だった。空前のカープブームの中、46643人の観客の過半数は広島ファンと言われた。広島は2位巨人に最終的には17.5ゲーム差をつける圧勝だった。

 今年の優勝決定は、昨年に続き史上2番目の速さとなりそうだ。過去7回の優勝決定は、すべてドラマチックだったが、今年はどんなドラマが待っているだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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