【PR】「スペシャリスト」が監督を務めたら…鈴木尚広氏の理想は「1番から9番まで走れる選手」!?

巨人で「代走屋」として立場を確立したスペシャリスト、その思考回路とは?

 プロ野球では、日本のトップ中のトップの選手たちがしのぎを削っている。そんな世界の中で、誰よりも秀でた技術、能力を持ち、「スペシャリスト」として生き残るプレーヤーはごく一部だ。裏を返せば、プロの世界でも突き抜けた能力があれば、“一流選手”として球史に名を残すことができる。そんな、自身の能力を最大限生かすために知恵を尽くしてきたスペシャリストの思考回路、野球観に迫ると、興味深い事実が見えてくることもある。

 昨年限りで現役を引退した鈴木尚広氏は、巨人で走塁のスペシャリストとして印象的な活躍を続けてきた。拮抗した試合の終盤に巨人の選手が出塁すると、鈴木氏が代走として登場し、その瞬間に本拠地・東京ドームが大歓声に包まれる。一塁上に立っただけでこれほどファンの熱狂を呼ぶことが出来た選手は、巨人に限らず、プロ野球の歴史を振り返ってもそうはいなかったのではないだろうか。そして、鈴木氏は監督、チームメート、ファンの期待に応えて見事に盗塁を決め、数々の重要なホームインを果たしてきた。

 走塁のスペシャリストが塁上で最も大切にしていたことは何だったのか。「投手の牽制の癖とか、球種とか、クイックタイムとか、キャッチャーが誰なのかとか、若いのかとか、ベテランなのかとか、そこで全然違ってきます。そういった組み合わせの中で、プラスして投手の仕草や表情を見ていました」。客観的なデータ、そして、仕草や表情から読み取る“投手心理”。グラウンドに立ってからは、特に後者を重視していたという。

 実際、鈴木氏は「僕は左ピッチャーの方が走りやすかった」と明かす。一般的には、二塁への盗塁は一塁ベースに背中を向けている右投手からの方が、成功率が高いイメージがあるかもしれない。ただ、「表情」を見る鈴木氏は違う。

「右ピッチャーの場合は、背中越しに感じないといけない。なので、右投手と左投手のどっちが走りやすいかと聞かれたら、現役のときは左のほうが走りやすかったですね。(左投手だと)神経質になっていたら、やっぱり表情に出てきますし、牽制は目の動きだけでも分かります。僕はそれを含めて、左ピッチャーに対しては対策を練っていました」

 データを頭に入れて、考えるのは、ベンチにいる時まで。いざグラウンドに立てば、そこからは感覚を信じる。これが、数々の貴重な盗塁を決めてきたスペシャリストの“流儀”だ。

「あそこ(塁上)で勝負するときは、何も考えないようにしていたので、ある意味で、表情をよく見ていたということにはつながっていたと思います。牽制のタイミングとかクイックタイムとか情報が頭にすでに入りながら、勝負しに行っているので、あとは表情。その時に感じるもので、表情を大事にしていました。考えるのは、試合に出るまでです。あそこ(塁上)に立ってから、考えながら走りましょうとなったら、走れないですよね。スタートを切るときには、ほんの一瞬の誤差が大きな勝敗を分けるので。何も考えないようにするには、事前準備をして、勝負のときは表情を見ながら反応していく、というだけでしたね。考えすぎると(動きに)つながっていかない。体が勝手に動いていくほうがいいんですよ」

 そんな鈴木氏にとって、最も走りにくかったピッチャーは、阪神の能見篤史投手だったという。「走ってはいるんですけどね」と言いながらも、対決の“醍醐味”について「彼の場合は少し読めないので、『無表情対決』になってしまうんですよ。僕も無表情だし、向こうも表情を変えないでやるので、『無表情対決』がけっこう楽しかった」と明かす。

鈴木氏がチームを作るなら「走れる選手を使います」

 能力、技術、知能、そして精神力を駆使し、一流のスペシャリストとしてプロの世界で立場を確立してきた鈴木氏。その野球観を生かして、もし監督を務めることになったら…。プロ野球界を見渡してみると、スペシャリスト出身の指揮官というのは、現在も過去も意外と少ない。“代走屋”とも言われた鈴木氏がどんなチームを作るのかは、とても興味深いところだ。

 本人は監督業について「興味はあります。プレッシャーが凄そうですけどね(笑)。でも、一度はそういうのを思ったりもしますよね」と明かす。そんな「監督・鈴木尚広」の思考回路を、“疑似監督・GM体験”が出来るセガゲームスのオンラインスポーツ・シミュレーションゲーム「野球つく!!」なら覗き見ることが出来る。プロ野球チームの球団運営が楽しめる人気ゲームで、鈴木氏はどんなチームを作るのか。

「まずは打てる選手を揃えていきたいですね。ピッチャーよりも。野球は点取りゲームなので、まず打てる選手で、軸となる選手を取っていきたいというのがありますね。あと、選手はたくさんいたほうがいいと思います。そうすれば、左投手に対してはこういうオーダーだとか、相手が右投手だったら左打者中心のオーダーを組むとか、そういうことが出来る。やっぱりバリエーションがないと」

 投手力ではなく、打撃力。攻撃的なオーダーというのが、鈴木氏のチームの“カラー”になるという。そして、もちろん、もう1つの条件がある。

「基本的に軸となる3番、4番、5番は確実に取っていくんですけど、その間を埋める1、2番と、あとは6、7番が鍵になるので、そこにどういう選手を持っていくか。やっぱり動ける選手を作っていきますね。走れる選手を使います。クリーンアップも、走れる選手がいて、3番に適性があれば、そこにも使っていきます。

 僕の場合は(最低でも)1番、2番、3番、6番、7番、8番くらいまでは動ける選手を置いていきたいです。バリエーションが出るというか、打てなかったら終わりじゃなくて、打てなくてもどこかで突破口を探そうというところがあるので。だから、切り札もたくさん置いておきたい。レギュラーじゃなくても、他の戦力をどう使うか。ただ、もし僕のレジェンドカードを持っていたら、スタメンで使ってほしいですけどね(笑)。能力値が上がれば、1番でスタメンで出てもいいんじゃないかな」

「1番・鈴木尚広」をはじめ、とにかくどこからでも動けるチーム。現役時代のプレースタイルのイメージそのままのメンバー構成となりそうだ。一方で、「4番は…そこ(走力)は求めないです(笑)。4番は、長打力と勝負強さ、あとはホームランでしょうね」と話す鈴木氏。ただ、理想は違うようで…。

「『え! こんな人が4番?』みたいなのでもいいと思う」

「4番も走れる選手がいたらすごいですよね。本当は1番から9番まで走れる選手で揃えたいですよ(笑)。足が速いというか、動ける選手がいれば。でも、このゲームの場合は強化して育てていけるので。そこまで見越してやっていく楽しさもありますね。『え! こんな人が4番?』みたいなのでもいいと思うんです。むしろ、それで勝ちたい。王道ではなくて。

 あとは、どう組み合わせていくのか。打順というものは、1番から9番までありますけど、試合には流れがあります。どこから始まるかなんて、最初のイニングだけなんです。プレーボールだけなんです。めぐり合わせは変わってくるもので、それってけっこう難しいことなので。4番が打てなきゃいけないということじゃない。むしろ、足の速い選手を4番にしたりとか、そういうことも発想としては面白いと思うんです」

「野球つく!!」では、実際に打線のつながりも重視される。「オーダーを考える場合、その1人の選手じゃなくて、対になる選手をどう見つけるか。うまくハマるところがあるし、その2人が近づきすぎても駄目だから、誰かワンクッション入れるという作戦もあるし」。もちろん、どんな選手を引き当てるかによっても、メンバー、オーダーの構成は変わってくる。監督、GMとして、強いチームを作り上げるためにやるべきことは多い。ただ、鈴木氏はそれこそがこのゲームの魅力で、自身が現役時代から大切にしてきた“信念“も生きると語る。

「本当に1回、1回どんな選手を引くかで状況は変わるので、その楽しみはあると思います。結局、いい選手を取りたいというのは誰しもが思うこと。でも、与えられたものでどうやって育てていくかは、すごく大事なことだと思います。もともと能力の高い人はいいですけど、そうじゃなくても育っていけば、活躍できる可能性は秘めてると思うので、育てがいもある。少し能力が低くても育てていって、チームを完成させていって強くする。そういう夢がありますよね。気を配るところもたくさんありますけど、それが面白い。それをやり続けることで、強いチームを作れた時の達成感みたいなのも全然違う。それくらい奥深いゲームだと思います。

 それぞれ、やり方も切り口も違うでしょうから、時間とともに自分のチームが強くなって、個性が出てくる。選手の相性や調子の良さがあるので、何回もメンバーを組み合わせていかないと、一発では決まらない。根気と粘りも必要ですね。僕らが小さい頃からやってきた野球ゲームとは全く違います。本当に頭も使うし、僕が現役時代から大事にしている『積み重ね』ができないといけない。その上で、監督、GMという目線で、どうやって選手を組み合わせていくか、扱っていくか、育てていくかということになってくる。監督にもなれるし、GMにもなれる。球場に行ったら野次られるのかな」

 こう言って笑った鈴木氏は、最後にもう1度だけ、自身の“レギュラー固定”を宣言した。

「12球団全部の走って打てる選手を全員集めて、チームを作ってみるというのもいいかもしれない。それはそれで僕のスタイルなので、それで勝っていったら面白い。でも、とにかく、まず自分は使いたい(笑)」

 走塁のスペシャリストが作る、とにかく「動けるチーム」。「野球つく!!」だからこそ実現するオーダーを、将来は実際にプロ野球でも見たみたいものだが、その機会は訪れるだろうか。

プロ野球チームの球団運営が楽しめる「野球つく!!」

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(Full-Count編集部)

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