「やるしかない!」“恩師”井口の檄を胸に復活を期すロッテ清田の思い

実感が沸かない井口の不在、恩返しは「結果を出すこと」

 自主トレに参加をしてから、シーズン中もなにかと気にかけてくれた。結果が出ないと落ち込みがちになる清田をいつも励ましてくれた。「今はやれることをしっかりやることだ。やるしかない!」。力強いその言葉にクヨクヨと悩み、落ち込む自分の姿が恥ずかしくなった。早めに球場に来てバットを振った。映像で打席を研究した。結果が出ない時こそ体を動かし、悔しさをボールにぶつけるように心がけてきた。

 そんな恩師と共にプレーをする日々も、あとわずか。9月24日のファイターズ戦(ZOZOマリンスタジアム、14:00試合開始)をもって、背番号「6」は現役生活に別れを告げる。

「実感が湧かない。今も1軍にいないのが不思議な感じがする。来年はもう一緒に自主トレをすることもできないと思うと寂しい。ただ、今はもう、自分が頑張っている姿を見てもらおうという気持ちです。結果を出すことで、これまでお世話になった井口さんに恩返しをしたいと思っています」

 今年、一緒に自主トレをする中で引退を匂わせたことがあった。それも冗談かと思っていた。ただ、若い頃から変わらず、今も若手と同じメニューを朝早くからこなす中で、初めて膝をつく姿を見た。今まではケロリと涼しげな表情でハードな練習メニューをこなしてきた中で、初めて目にした苦しそうな表情だった。その姿に「もしかして」の想いがよぎった。そして6月20日、尊敬する大先輩は引退を表明した。

 清田は15年に130試合に出場して打率.317、15本塁打、67打点の結果を残し、マリーンズの主軸を担う強打者としての道を歩み出した。が、それ以降、なかなか思うような結果を残せていない。今季も悔しさのみが胸を覆う。7年間、自分を見守り、期待をかけてくれた大先輩への恩返し。それはやはり自身がバットで結果を残すことしかないと思う。独り立ちして迎える日々。「やるしかない!」というあの日の井口の檄が胸にこだまする。

(マリーンズ球団広報 梶原紀章)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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