陰の功労者ソフトバンク岩嵜、リーグ最多70試合登板、守護神サファテに繋ぐ

先発ローテ入りを目指すも定着できず、転機となった中継ぎ転向

 2007年の高校生ドラフト1巡目で市立船橋高校からソフトバンク入りし、今季ではや10年目。これまでは先発として毎年のように期待されながらも、2011年の6勝が最高だった。2013年に主に中継ぎで47試合に登板したが、その後も目立った活躍を見せられず。転機となったのは、昨季途中の中継ぎへの配置転換だった。

 昨季は開幕1軍を逃したが、5月中旬に昇格を果たすと、しばらくは主にロングリリーフでの起用となった。6月末から約2か月間は先発でも起用されたが、9月から再びリリーフになると、終盤には勝利の方程式に組み込まれるまでになった。150キロ超を誇るストレートとフォークを武器とする岩嵜にとって、1イニングを全力で投げるセットアッパーというポジションが見事にハマった。

 今季もキャンプまでは先発、リリーフ双方の可能性があったが、結果的にはリリーフに落ち着いた。開幕直前にはセットアッパーとして計算されていたスアレスがWBCで右肘を故障し、トミー・ジョン手術を受けて今季を棒に振ることに。このスアレスが入るはずだった8回を見事に担い切ったのが岩嵜だった。

 優勝を決めた試合では、点差が開きながらも、モイネロ、サファテとともにマウンドに上がった岩嵜。指揮官は「お礼の意味を込めて、今日は投げさせたいと思っていた。彼らがいなかったら、どうなっていたかわからないくらい」と感謝の思いを述べた。守護神サファテはもちろんだが、岩嵜もまた、優勝に多大な貢献をした1人だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY