史上2人目の10年連続50試合登板 日ハム宮西、“鉄腕“誕生秘話(後編)

宮西が見据える今後「もっと知ってほしいし、評価されたい」

 今ではリリーフに高い誇りを持っている。昨季初めて、42ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。今季は史上2人目の10年連続50試合登板に、史上2人目の通算250ホールドを達成。日本を代表するリリーバーになって、中継ぎというポジションの認知度や評価アップへ声を大にする。

「今のプロ野球は分業制になっているので、リリーフとして入ってくれる人が出てきてほしいと思っています。あと、一般的にはホールドのことを知らない人も多いですよね。どういう状況でつくのかとか。1球ですべてが決まる厳しいポジション。もっと知ってほしいし、(先発や抑えと)同じように評価されたいです」

 ちなみに、名球会の入会資格は200勝、2000本安打のほかに03年から250セーブが加わったが、現在ホールドの規定はない。

 これからも50試合登板にこだわって投げ続けるのだろうか。宮西の答えはイエスでもあり、ノーでもあった。

「はじめは、ただたくさん投げたいというだけでしたが、ここ数年は違います。6回、7回は試合が動き出すところ。その流動的なところで投げ続けられるようにと考えています。そこを投げていけば、年間50、60は行くと思います。今年は調子が悪くて、うまく後ろ(の投手陣)に流すことができなかった」

 現在の5位という成績に人一倍責任を感じていた。逆境時には雰囲気を変え、流れの良い時にはスッと後ろにバトンを渡す。チームの勝敗を左右するリリーバーとしてのプライドを持ちながら、これからもチームのためにマウンドに上がり続ける。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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