今季限りで退任のロッテ伊東監督 ホークス工藤監督が抱く特別な思い

ソフトバンク・工藤公康【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康【写真:藤浦一都】

かつての盟友・工藤監督「僕ももっともっと学ばないといけない」

 26日にヤフオクドームで行われたソフトバンク-ロッテ戦。4-3でロッテが勝利を収めた試合後、今季限りで退任するロッテ伊東勤監督にサプライズが待っていた。左翼席のロッテファンに挨拶を終えた指揮官に、ソフトバンクの工藤公康監督から花束が贈られた。この日はソフトバンクとの、そして福岡での最終戦だった。

 80年代後半から90年代前半、西武の黄金期を支えた伊東監督と工藤監督。1991年に制定された最優秀バッテリー賞の初代受賞者だった。かつて盟友として戦った伊東監督に対しては、1歳年下の工藤監督も特別な思いを抱いていたという。

 ロッテ戦後に伊東監督について問われた工藤監督は「5年間お疲れさまでしたと言いたいですし、昔ともに西武でやって、バッテリーを組んだこともありますし、初代のバッテリー賞も一緒に受賞させてもらいました。伊東さんから色々なことを学びました」と現役時代を振り返った。

 監督に就任してから3年、ソフトバンクとロッテの監督としてしのぎを削りあってきた。2015、16年はクライマックスシリーズでも対戦。伊東監督が作り上げてきたロッテについて「対戦している中でもロッテって何してくるか分からなかったり、思いも寄らないところで作戦があったり、非常に戦いづらいチームでしたし、粘り強いチームに育てられたのも伊東さんの手腕だと思っています」と語った。

 今季はソフトバンクが独走Vを果たし、ロッテは最下位に沈んだ。それでも、工藤監督は「紙一重のゲームもたくさんありましたし、打たれる時にはウチがボコボコにされるくらいに打たれたという経験もあった。本当にいいチームに育てられたなという風に思います。キャッチャー出身というところもあって田村くんが扇の要としていいキャッチャーになって、そういうのも伊東さんのなせる業なのかなという風に思っています。そういう部分では、僕ももっともっと学ばないといけないところある」という。

「本当に5年間お疲れさまでした。またどこかでお会いした時には食事しながら、野球の話を聞かせてほしいなと思いましたし、それはお伝えしました」。西武黄金期を支えた女房役、そして盟友の退任は、工藤監督も寂しそうだった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY