世界を知って変わった2人、U-18代表2年生コンビがチームに還元する経験

侍U-18代表で活躍した藤原恭大(左)と小園海斗【写真:沢井史】
侍U-18代表で活躍した藤原恭大(左)と小園海斗【写真:沢井史】

侍ジャパン1、2番コンビ藤原(大阪桐蔭)と小園(報徳学園)が見せた成長

 惜しくも3位に終わった第28回 WBSC Uー18ベースボールワールドカップが終わって、早や2週間以上が経った。今では高校野球はすっかりドラフトの話題で持ちきりだが、大会期間をあらためて振り返ると、やはり打棒が振るわなかった点を指摘する報道が多い。

 確かにU-18代表は世界を相手に打撃で苦しんだが、その中でも最も光ったことと言えば、2年生コンビの躍動だろう。不動の1番に座った藤原恭大(大阪桐蔭)、3戦目のキューバ戦から2番となり、一時期は首位打者争いも演じた小園海斗(報徳学園)。この2人は中学時代、共に所属した枚方ボーイズ時でも1、2番に座り、チームを牽引してきた。高校はそれぞれ強豪校に進み、1年時からチームの中心打者として活躍している。

 ただ、これまで高校日本代表の選考でネックとなっていたのが、2年生選手の選考だ。力が抜きん出ている選手なら話は別だが、2年生の場合、実績や実力があっても、国際大会直後に秋季大会があったり、3年生に比べ体が出来上がっていないなど、何かと負担になることが多い。平均よりやや上ほどの実力の2年生選手であれば、同じレベルの3年生を選んだ方がいいという意見もある。

 その意見には一理ある。4年前の2013年に開催されたU18世界選手権(台湾)では、高橋光成(前橋育英=現西武)と安樂智大(済美=現楽天)の2人の2年生投手が選ばれた。高橋はその夏2年生エースとして前橋育英を初の全国制覇に導き、夏の甲子園で一気に注目度が高まった。8月末から開催ということもあり、甲子園での疲労が大きかったのか、本大会では2試合のみの登板に終わり、3回で計4失点とやや精彩を欠いた。安樂は2試合(17回)で26奪三振の快投を見せたが、2人は直後の秋季大会では早々に敗退した。さらに前年のU18世界大会(韓国開催)では2年生で唯一、森友哉(大阪桐蔭=現西武)が選ばれている。その大会ではアメリカ戦で本塁でアメリカ選手から“タックル”されるなど大きな話題を呼んだが、森が帰国後のインタビューで「体が休まる時がなくて、本当にキツかった」と本音を吐露していたことを思い出す。

報徳学園・大角監督「大人になったなと思いますね」

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