阪神が誇るNPB史上初60試合登板5人組のすごさ、全員揃って防御率3点以下

阪神は過去5度も60試合トリオを輩出

 4人の投手が60登板したケースは、ごく最近でも2例ある。

〇2015年 楽天
福山博之 65登板(2勝3敗1S 22H 防御率2.76)
松井裕樹 63登板(3勝2敗33S 12H 防御率0.87)
青山浩二 61登板(4勝5敗0S 31H 防御率2.81)
武藤好貴 60登板(4勝4敗1S 8H 防御率4.39)

〇2016年 巨人
マシソン 70登板(8勝4敗1S 41H 防御率2.36)
田原誠次 64登板(4勝3敗0S 14H 防御率3.46)
澤村拓一 63登板(6勝4敗37S 4H 防御率2.66)
山口鉄也 63登板(1勝6敗1S 19H 防御率4.88)

 2015年の楽天は松井裕樹、16年の巨人は澤村拓一というクローザーの前に3人のセットアッパーがいた図式だ。ただ両方のケースともに、4人のうち防御率4点台が1人ずついる。投球内容が良いとは言えない投手も含まれていたのだ。今季の阪神の「5人そろって防御率3点以下」という記録が、いかに傑出しているかがわかるだろう。

 阪神は1982年(池内豊、山本和行、福間納)を皮切りに、2005年(藤川球児、ウィリアムス、久保田智之)、2007年(久保田智之、藤川球児、ウィリアムス)、2008年(久保田智之、渡辺亮、藤川球児)、2010年(久保田智之、西村憲、渡辺亮)と過去に5回、60登板トリオを記録している。今年を含め、60試合登板3人以上を6回記録、これはNPB球団で最多だ(2位は5回の巨人)。2005年、2007年の阪神は「JFKトリオ」と言われ、勝利の方程式を形成した。阪神は、最も救援投手を活用している球団だと言えよう。

 ただそんな阪神でさえも、2年連続で同じ3人以上で60試合登板を記録したことはない。今年の5人も、登板過多が気になるところだ。

 阪神の5人組は、来年も元気に投げ続けることができるだろうか?

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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