史上初「5球団競合外れ1位指名」が躍動、ロッテ佐々木が見せた大器の片鱗

ロッテ・佐々木千隼【写真:(C)PLM】
ロッテ・佐々木千隼【写真:(C)PLM】

1軍再昇格後の1戦目でプロ初完投勝利をマーク

 9月13日の北海道日本ハム戦、9回を投げ120球、被安打8、奪三振5、失点1の好投で、プロ初完投勝利を挙げたルーキー・佐々木投手。9月21日の埼玉西武戦でも7回1失点で2連勝を決め、29日のオリックス戦では中継ぎとして3回を完璧に抑えた。2016年のドラフトで、史上初「5球団競合の外れ1位」指名を受けたエース候補が、シーズン最終盤から改めて大器の片鱗を見せ付けている。

 佐々木投手は、1994年生まれの23歳。都立日野高校を卒業後、桜美林大学でエースとして君臨し、輝かしい成績を収めてきた。昨年の首都大学野球リーグで菅野投手(現・巨人)らが持つ53イニングス連続無失点と、年間7完封のリーグ記録に並ぶ。さらにこの年、「投」ではもちろん「打」でも躍動して、母校を初の明治神宮野球大会出場、準優勝に導いた。

 そして迎えたドラフト会議では、5球団競合の末、千葉ロッテへ入団。オープン戦では4試合に登板して防御率0.59と結果を出し、開幕ローテーションの座を勝ち取ると、4月6日の北海道日本ハム戦でプロ初登板、初勝利を飾る。

 しかし、それ以降は白星に恵まれず、5月25日に2勝目を挙げてから、佐々木投手の長く苦しい戦いが始まる。6月11日の東京ヤクルト戦では初回7失点と崩れ、7回を投げ切ったものの5四球8失点。それでもローテーションを守り続けたが、7月5日の楽天戦で今季7敗目を喫し、ついに1軍登録を抹消される。ファーム降格後も、焦りから広背筋を痛めるという悪循環に巻き込まれるが、身体を動かせない間も映像で自身の投球フォームを見つめ直し、今シーズン中の1軍復帰を目指した。

若手投手が台頭するロッテの中で、エース格への成長を期待

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