ロバーツ監督がゾッコン、前田健太のリリーフ適性「序盤は先発としか…」

ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】
ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

6月の配置転換で見えた短いイニングでの球質アップ

 7日(日本時間8日)に行われたダイヤモンドバックスとの地区シリーズ第2戦で、9球で3死を奪う完璧救援を見せたドジャース前田健太投手。チームを2連勝に導くと同時に、自身もプレーオフ初勝利を飾った。レギュラーシーズンは先発ローテの一角を守った日本人右腕の配置転換がズバリ的中したわけだが、この決断に至った理由をロバーツ監督が明かした。

 第3戦を翌日に控えた8日(同9日)に開かれた記者会見で、前田のリリーバーとしての適正について質問を受けたロバーツ監督は、こう答えた。

「今季序盤、我々は彼を先発としてしか見ていなかった。もちろんメジャーの先発投手だ。打者の右左に関して言えば、右打者相手に有利な成績を残し、球数は80?85球に差し掛かると球威が落ちる傾向にある。

 そこで(6月に)ブルペンで起用してみることにした。するとボールの質が上がったんだ。球速は2、3マイル上がり、スライダーにはキレが増した。そんなことを踏まえて、ポストシーズンのロースターをあらゆる角度から考えた時に(ブルペン起用が)理にかなうと思ったんだ」

 今季序盤に大量失点が続いた前田は、6月に一時ブルペンに配置換えされた。今季救援登板した4試合では、合計8イングを投げて1勝負けなし、防御率2.25の成績。与四球がわずか1なのに対し、10奪三振を記録している。この時の姿が、指揮官の脳裏に深く刻み込まれていたようだ。そして、指揮官の采配は的中した。

 逆転後に試合の流れをつなぎ止めておくに十分の圧巻投球を振り返り、ロバーツ監督は「大きな意味を持つ3アウトを奪ってくれた」と称賛。「アリゾナで強力打線を相手に再び彼を配置できることに意味がある」と話し、第3戦も必要とあらば“リリーバー”前田が出動する可能性を示唆した。

 Dバックスのポロック、ゴールドシュミット、マルティネスという強力右打者トリオを手玉にとった前田。ブルペンにおける意外なまでの適正の高さは、1988年以来となるワールドシリーズ制覇に向けて、大きな武器となりそうだ。

(Full-Count編集部)

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