2大会ぶり栄冠 侍ジャパン社会人代表が誇る「守り抜いた日本の野球」

予期せぬアクシデントもあった大会、指揮官「そういった環境に順応していった」

 佐藤主将も「こういう舞台で試合を経験させていただいたのは幸せなこと」と言い、「チームに持ち帰って、自チームでこの経験を生かしていかないといけない。また、今後の社会人野球を引っ張っていく存在にならなければいけないと思う」と決意。北村は「個人的にはもっとレベルアップしないといけない。今回、経験したいことを自チームはもちろん、社会人全体の野球のレベルアップに繋げていかないといけないと思う。この経験を周りに伝え、経験させて頂いたことが無駄にならないようにしたい」と今後を見据えた。

 石井監督は「社会人野球として、国際経験を多く積むことが大きなテーマ」だと話す。国際大会は予期せぬことが起こるが、今回も時間の変更や「当たったか当たらないかわからない程度」(チーム関係者)とはいえ、移動のバスが接触事故を起こした。開幕投手を務める予定だった田嶋大樹投手(JR東日本)も頭部に送球が当たり、決勝まで登板できなかった。

「今回は現地入りしてからいろんなことが起きすぎたが、選手もそういった環境に順応していった。そういった部分でも非常に良い経験になったと思う」と石井監督。午後にはセンターの真上に太陽が来たり、土が固かったりといった球場の特徴や食事面でも日に日に順応。試合のたびにチーム力を高めていった。

 来年は、インドネシア・ジャカルタでアジア競技大会が開催される。指揮官は「もう一度、チームを再編しないといけない。このアジア選手権である程度の戦い方のヒントをいただいた。それをもとに選手を選考し、強いチームを作りたい」と次なる戦いに目を向ける。選手にとっては11月の日本選手権、そしてウインターリーグがアピールの場になる。侍ジャパン社会人代表はさらなる強いチームへ、進化を止めない。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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