ホークスの強さ象徴 個人タイトル6選手輩出の偉業

2004年のダイエーは所属選手が8部門でタイトル獲得

 近年のパ・リーグで、同一球団によるタイトル獲得数が多いのは、2004年のダイエー。この時は松中信彦が3冠王に輝くだけでなく、最多安打、最高出塁率のタイトルにも輝き、1人で5つのタイトルを独占。松中と最多安打を分け合い、盗塁王にも輝いた川崎宗則、最優秀中継ぎの三瀬幸司、最多奪三振になった新垣渚と、なんと8部門をダイエー勢が占めたが、4選手によるものだった。

 7部門を獲ったのは2006年のソフトバンクがある。斉藤和巳が防御率、勝利、勝率の投手3冠に輝き、最多奪三振も獲得。最多安打に大村直之、首位打者と最高出塁率は松中信彦だった。6部門を同一球団が獲ったのは2005年のソフトバンク(斉藤、杉内、松中の3人)、2009年の西武(涌井、中村、中島、片岡の4人)、2014年、1995年のオリックス(2014年は金子、平野、佐藤達、糸井の4人、1995年は平井とイチローの2人)があるが、やはり1人の選手が複数のタイトルを獲得している。

 セ・リーグでは2006年の中日、2012年の巨人、2015年のヤクルトが7部門でタイトルを獲っている。2006年の中日は川上憲伸が最多勝、最多奪三振、岩瀬仁紀が最多セーブ、福留孝介が首位打者、最高出塁率、タイロン・ウッズが本塁打と打点のタイトルに輝いており、4選手によるもの。

 2012年の巨人は阿部慎之助が打率、打点、出塁率でタイトルを獲得し、坂本勇人、長野久義が最多安打に。投手部門では最多勝の内海哲也、最優秀中継ぎで山口鉄也、最多奪三振で杉内俊哉がタイトルを獲得。この時は、今季のソフトバンクと同じく6選手(坂本と長野の分け合いがあるが)で7部門のタイトルを獲っている。

 2015年のヤクルトは川端慎吾が首位打者と最多安打、山田哲人が本塁打、盗塁、出塁率、畠山和洋が打点と打撃6部門をヤクルト勢が総なめにし、投手はバーネットが最多セーブを獲得し、4選手で7個のタイトルを取っている。

 同一球団内で数多くのタイトルを獲得した場合、1人の選手が複数のタイトルを獲ることは頻繁にあれど、球団内で多くの選手でタイトルを分け合うことは少ない。かつてはタイトルの数が少なかったこともあるが、同一球団からのタイトル獲得者数は、長い球界の歴史でも2012年の巨人と今季のソフトバンクの6選手が史上最多だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY