ソフトバンク工藤監督が打撃投手で90球「投げることで見えることもある」

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

2度目の紅白戦は打線に手応え「生きたボールを打つことが大事」

 12日、ソフトバンクはヤフオクドームで2日目の全体練習を行った。アップ、打撃練習に続き、投内連係、紅白戦(6イニング)、特打と充実した練習内容。最後の特打では、工藤公康監督が自ら打撃投手を務め、デスパイネ、今宮健太、上林誠知を相手に90球を投じた。

 紅白戦は前日と同じメンバー分け。ビジョンには前日勝利した白組に星マークが1つ。それを目にした白組の松田宣浩は「よっしゃ~、今日も勝って星2つや!」と、三塁側の紅組を“挑発”する場面も。その松田は、この日の2戦目で内川聖一に続く2者連続本塁打を放つなど、宣言どおりに白組が2連勝となった。

 勝利の星の掲示に「いいことだと思いますよ。あれを見て負けたくないという気持ちをもって紅白戦に臨むのは大事なこと」と語る工藤監督は、この紅白戦で打線に手応えを感じているようだ。

「昨日は江川くんが(本塁打を)打ったりして、いい形が少しずつ出始めていると思います。本当にピッチャーの生きたボールを打つのは大事だと思うし、そういうボールを打つことで、野手は試合に対して『よし、いける』という気持ちになってくれると思います」

 また、紅白戦前の投内連係プレーの練習では、プレーが終わるごとに投手や捕手にアドバイスを送るシーンも。指揮官は「シーズン中にも連係のミスやカバーリングのミスがあったし、そういったミスが点につながるから。改めて意識づけをしないとね」と意図を語った。

 デスパイネ、今宮、上林が打撃ケージ入りした特打では「試合ではなかなかできないからね」と、自ら打撃投手を務めて90球。「(打者と)ちょっとした話をしながらやるのもいい機会。藤本、立花両コーチもずっと投げているとバテる時もあるから」。同じ右足をピンと伸ばす投球フォームは現役時代そのまま。実働29年の経験から、投げることで見えてくるものもあるという。

「タイミングが合っていないなとか、こういうスイングの形だと、ここが苦手なんだろうなとか、少しでも分かればアドバイスはしたいと思います。打撃コーチがいるので、そういうところはコーチに任せますが、うまくコミュニケーションを取ってCSまでに自分のいい形に戻してもらえたらと思います」
 
 また、この日侍ジャパンに選出された上林誠知、甲斐拓也について「MVPばりに頑張ってほしいです。ジャパンのユニフォームを着るというのはプレッシャーもかかるでしょうが、選んでくれた稲葉監督が『選んでよかった』と思ってくれるような活躍をしてほしいと思っています」とエールを送った。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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