ホークスOB斉藤和巳氏が占うパCSファイナルS、カギは「第1、2戦の勝敗」

元ソフトバンクのエース右腕・斉藤和巳氏【写真:編集部】
元ソフトバンクのエース右腕・斉藤和巳氏【写真:編集部】

楽天は第3戦以降の則本、岸に1勝1敗でつなげるか―

 パ・リーグ3位楽天が劇的な2連勝で2位西武を下し、逆転で勝ち抜けを決めたクライマックスシリーズ(CS)・ファーストステージ。その興奮も冷めやらぬまま、18日からは1位ソフトバンクが本拠地・福岡に楽天を迎え、4戦先勝方式(ソフトバンクはアドバンテージの1勝を持つ)で日本シリーズ進出権を争う。

 黒星からの2連勝で勢い付く楽天に対し、今季のソフトバンクは94勝49敗、2位西武に13.5ゲーム差をつける圧倒的な強さを見せつけた。それぞれに強さを持つ2チームが、ファイナルステージではどんな戦い方を見せるのか。ソフトバンクOBの斉藤和巳氏は「短期決戦は先手必勝。第1戦、第2戦の勝敗がシリーズの行方を大きく左右するでしょうね」と話す。

「ソフトバンクがアドバンテージで1勝持っているので、楽天は最初から捨て身でぶつかってくると思うんですよ。先発投手という点から見ると、ファーストステージで先発した則本、岸、美馬は第3戦以降しか使えない不利な状況にある。そうなると、第1戦、第2戦は先発4番手以降の“裏ローテ”がマウンドに上がることになるので、安定しているブルペンを早めに投入することになるかもしれません。

 ただし逆を返せば、第3戦からは則本、岸が出てきますから、最初の2戦で1勝でもすれば、第3戦から流れを引き寄せられる可能性は十分にある。則本と岸は、そう簡単には打てませんよ。則本はファーストステージの悔しさを晴らしたい思いも強いでしょうしね。

 打線は、ソフトバンクの先発陣をいかに早く降板させるかがポイント。ソフトバンクのブルペンは鉄壁なので、6回までに点を取りたいところ。ファーストステージ第3戦で目覚めたウィーラーが好調を持続できるのか。彼に続いて、ペゲーロ、アマダーも目覚めたら、ホークスは嫌でしょうね」

 一方、ペナントレース覇者のソフトバンクは、戦力や選手層の厚さでは、圧倒的に楽天を凌ぐ。さらにアドバンテージの1勝を持ち「断然有利」。最初の2戦で連勝し、勝ち抜けに王手を掛けて第3戦を迎えたいところだ。

「柳田が抜けたのは痛いですけど、代わりに内川が帰ってきましたから、打線はそこまで戦力ダウンしていない。ペナントレースも圧勝でしたし、普段と戦い方を変える必要はないと思います。ホークスにとって一番の敵は『勝って当たり前』というプレッシャーかもしれませんね。周りだけではなく、戦っている選手自身もそういう思いは持っているでしょう。その思いに追い込まれ過ぎないようにすることは大切ですね。

 選手一人ができることは限られているから、自分のベストを尽くすしかない。チームとして束になった時、どれだけ機能できるかの方が大事。人それぞれですけど『俺が打ってやる。俺が抑えてやる』と追い込み過ぎない方がいいでしょうね」

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