快投バーランダー、集中しすぎて「何回だとか打者が誰だとか分からない」

アストロズ加入後は9戦9勝、快投の要因は「説明が難しいんだけど…」

　打線が目覚めたのも、先発バーランダーの快投があったからだ。タイガース時代を含め、ここぞという試合で実力を発揮し、チームを勝利に導く投球を披露。真のエースとして信頼を集める。快投の要因を問われた右腕は「説明が難しいんだけど…」というと、衝撃の言葉を続けた。

「試合が進むに連れて、今が何回なのか、どんな状況なのか忘れてしまうんだ。1球1球を狙い通りに投げることだけに集中しているから、打者が誰だったかすら分からなくなってしまんだ」

　置かれた状況や打者に関係なく、自分の狙い通りの球が投げられるか否か。その1点だけに集中した結果が、この日の快投を引き出した。試合を終えてみれば、対戦成績を3勝3敗のタイに戻すという、戦前考え得る最高の状況がもたらされていた。シーズン途中にトレードで加入後、地区シリーズ第4戦の中継ぎ登板も含めて9戦9勝と圧巻の投球を続けている。

　タイガース時代も果たせなかったワールドシリーズ優勝の望みをつないだ右腕。第7戦は全力で応援を続ける。

（佐藤直子 / Naoko Sato）