1年前は試行錯誤 サイドスロー転向が転機、ソフトB左腕は日本Sでも輝く

1年前はまだ試行錯誤、サイドスローへの挑戦が転機に

 昨年わずか5試合しか登板できず、ちょうど1年前の10月には自らの投球で試行錯誤を繰り返していたという。そして11月の秋季キャンプで嘉弥真は大きな決断を下す。サイドスローへの挑戦だ。直後には、兄のように慕い自主トレも一緒に行っていた森福允彦がFAを行使して巨人への移籍を決断。「絶対に森福さんの穴を埋めてみせる」という強い気持ちがフォーム固めを後押しした。

 春季キャンプ序盤に話を聞いた時には「サイドスローへの転向に1年、2年かかる人もいると聞いた。その中で、11月からキャンプ終了までの4か月で仕上げる自信はある」としっかりとした手応えを感じていた。結果、今季の嘉弥真はキャリアハイとなる58試合に登板し、2勝0敗14ホールドの成績を残した。そして、その自信がCSでの好投にもつながった。

 次なる舞台は日本シリーズ。相手となるDeNAには、筒香嘉智、梶谷隆幸という左の強打者がいる。嘉弥真が大事な役割を担う場面は必ずやってくるはずだ。「任された場面で自分の投球ができるように、これからデータをしっかりと見て、どこが空振りする率が高いのかとか、いろいろと確認していきます」と話す。

 今年の交流戦ではDeNA戦での登板はなかったが、チームの日本一奪還という目標を達成するためにも、仕事人・嘉弥真はハマの強打者たちに立ち向かっていく。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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