「ある種の革命」―WS先勝のドジャース、先発投手陣が好投を続けるワケ

ポストシーズンでも好投を続ける前田健太とダルビッシュ有【写真:Getty Images】
ポストシーズンでも好投を続ける前田健太とダルビッシュ有【写真:Getty Images】

前田も証言「それがチームのポリシーなら受け入れるまでのこと」

 さらに、ドジャースの先発投手の中でポストシーズンに入って100球以上を投げた投手はまだいないことも指摘。「優秀な先発投手を誇るチームとしては異例だ」と記事では言及している。

 前田も今季25試合に先発したが、100球以上を投げたのはわずかに2試合。同紙の取材に対して「先発投手としては、イニング面ではなるべく長い間投げたいと思う。でも、それがチームのポリシーなら受け入れるまでのこと。一般的に多くの先発投手が長いイニングを投げたいと思っているのは間違いないと思いますよ」と通訳を介して証言したという。

 厳格な球数制限は、長い死闘の末にたどり着いたポストシーズンで、先発投手がフレッシュさを保っていられる大きな要因となっている。マッカーシーは記事の中で、チーム方針による精神的な恩恵も存在すると指摘している。

「ある種の革命だよね。もしも、80球で降板になったとしても問題なし、と言えるのだから。我々にとって機能しない可能性もある。でも、このチャンスを手にしないわけにはいかない。80球で降板させられるのはいつだって気分のいいものではない。でも、いい状況で降板したと考えることもできる。7回まで投げて試合に負けたような気分にはならないんだ」

 ポストシーズンでも切れ味抜群のボールを投げ込む先発陣を目の当たりにしているリック・ハニカット投手コーチは「すべての投手ごとに明確なプランが存在する。先発登板回数の制限というものすら、ね。去年イニング数を制限したそれぞれの選手に対しては、我々はできるだけそれを念頭に置かねばならなかったし、彼らをできる限り活きが良く、できるだけ健康的な状態にしようとしていた」と証言している。

 この日、圧巻の投球を披露したカーショーも、過去のポストシーズンではレギュラーシーズンでフル稼働した疲労が蓄積していたのか、別人のような投球で打ち込まれることがあった。今季は負傷での離脱もあったが、「いつもと同じ感覚だ。それがすごいことなんだ」と語っていたと記事では伝えている。ワールドシリーズで蓄積披露を感じさせない投球を見せているドジャース先発陣。球数、そして、試合数制限という厳格なポリシーが、29年ぶりのワールドシリーズ制覇として実を結ぼうとしている。

(Full-Count編集部)

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