清原は6球団、野茂は8球団競合…記憶に残るパ・リーグのドラフト会議

菊池雄星は6球団、松井裕樹には5球団が競合

 また、2009年からは一般のファンが観覧可能となり、ドラフト会議はよりショーアップされるものとなった。この年、目玉選手となったのは花巻東高の左腕・菊池雄星投手。6球団が競合し引き当てたのは埼玉西武の渡辺久信監督(現シニアディレクター兼編成部長)だった。さらに渡辺監督は翌2010年、前年の菊池投手と同じく6球団が競合した早稲田大・大石達也投手の交渉権を獲得し、2年連続の「強運」を見せつけた。

 近年では東北楽天・立花陽三球団社長の「引きの強さ」がドラフト会議で発揮された。2012年、球団社長に就任すると、広島との競合となった東福岡高・森雄大投手の獲得に成功。2013年には5球団の競合で桐光学園高・松井裕樹投手を、2014年には東京ヤクルトとの競合で済美高・安樂智大投手と3年連続で高校生の重複指名で競り勝った。2015年には仙台育英高・平沢大河内野手で千葉ロッテとの競合となり、4年連続“勝利”が大いに期待されたが、外れる結果となってしまった。

 記憶に新しい昨年のドラフト会議では創価大・田中正義投手に5球団が競合。福岡ソフトバンク・工藤公康監督が引き当てた。その後、外れ1位指名で参加する5球団がすべて桜美林大・佐々木千隼投手を指名するという史上初めてのケースが発生した。

 今年もパ・リーグの球団がくじ引きで注目を集めるのか。次代のパ・リーグを担う選手たちが選ばれる瞬間は、すぐ目の前に訪れている。

(「パ・リーグ インサイト」武山智史)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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