差別行為のグリエルに厳しい声 ヤ軍傘下加藤も失望「野球界ではよく起こる」

アストロズのグリエル【写真:Getty Images】
アストロズのグリエル【写真:Getty Images】

人種差別行為のグリエルに厳しい声、MLBは第4戦前に事情聴取へ

 ドジャース・ダルビッシュ有投手に対する人種差別行為が波紋を呼んでいるアストロズのユリエスキ・グリエル内野手に対して現地で厳しい声が寄せられている。地元記者は28日(同29日)の第4戦前にMLBによる本人への事情聴取が行われる見通しを伝え、「1試合の出場停止が不可欠」と指摘。ヤンキース傘下でプレーする加藤豪将内野手も自身ツイッターで「グリエルには非常に失望しました」と綴っている。 

 27日(日本時間28日)にミニッツメイド・パークで行われたアストロズとドジャースのワールドシリーズ(WS)第3戦。グリエルは2回、ダルビッシュから先制ソロを放つなど活躍し、5-3の勝利に貢献した。しかし本塁打の後、ダグアウトで見せた両目尻をつり上げる行為がアジア系の人々を侮辱する差別的ジェスチャーとして問題視され、大きな波紋を呼んだ。 

 ダルビッシュへの差別行為として米複数メディアが一斉に速報。試合後の記者会見で両軍監督がコメントを求められる事態となった。ダルビッシュ自身もこの行為を問題視した上でMLB側の対応が必要としながら、「彼の中での1つのミスであって、色んな人がこのことから学べると思う。人類として学んで、人類として1つ前にいけるステップになれば、ただのミスで終わらないんじゃないかと思う」と言及。これがきっかけとなり、差別的行為がなくなることを願った。一方、グリエル本人は地元メディアの取材に「侮辱するつもりはなかった」などと釈明した。 

 今後、MLB側が何らかの処罰を下す可能性が浮上する中、米ヤフースポーツのジェフ・パッサン記者は「MLBは差別的行為をしたユリ・グリエルを出場停止にする必要がある」との見出しで記事を執筆。28日(同29日)の第4戦前に事情聴取が行われる見通しを伝え、「無知は言い訳にならない。グリエルは33歳である。彼は何百万ドルもの給料を貰い、世間の注目を浴びながら試合に出場しているのだ。自身を教育することは任意ではなく、義務である」と厳しい論調で伝えた。 

 また、グリエルが試合後に謝罪したことを受け、「グリエルをよく知る人々は、彼の謝罪を信じるだろう。そして、悪意はなかったということを。彼らは言う、グリエルは悪い人物ではない。彼は悪いことをしたのだと」と擁護の声が上がることを予想しつつ、「最良の方法は軽い罰金を科すのではなく、グリエルにとって1試合の出場停止が不可欠であることを、アストロズとMLB選手会に納得してもらうことだ。アストロズとMLB選手会はこの件に同意しない可能性がある。特にワールドシリーズ期間中においては。しかし、彼らはダルビッシュの言葉に耳を傾けるべきである」と訴えた。 

 一方、アメリカの高校からドラフト指名され、現在、ヤンキース傘下でプレーする加藤も自身のツイッターでこの一件に言及。「グリエルには非常に失望しました。野球界では非常によく起こります。彼や他の人々がこの機会から学ぶことを願います」と、自身の体験を踏まえて綴っている。 

 緊迫した試合が続く熱戦に水を差したグリエルの行為。重要なのは、いかに再発防止をしていくか。MLB側がどのような決断を下すのか注目される。

(Full-Count編集部)

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