楽天6位指名の仙台育英・西巻 スカウト歴「10数年」のプロを唸らせた守備

楽天ジュニアのパイオニアとしても期待、楽天との縁は「不思議」

 西巻自身、高校3年間で印象に残っている守備として、やはり二塁にいる走者をアウトにしたプレーを挙げている。

「1年秋の練習試合だったと思います。ランナー二塁で三遊間に打球が飛んできた時、普通はファーストに投げますが、左目でランナーが出ているのが見えて、捕ってセカンドに投げてアウトにしました。なぜ、今のプレーができたのかと思いましたが、自分の中でよくできたな、とも思いました。プレーしている時、ランナーが自然と視界に入ってくるんです」

 仙台育英の秀光中で「野球に対する考え方を学んだ」と野球センスに磨きをかけた。3年の全国中学校軟式野球大会では初優勝。中学軟式野球の頂点に立った。高校1年夏には甲子園で全試合、途中出場し、準優勝を経験した。1年秋から、平沢大河(現ロッテ)の後を受け、ショートのレギュラーとなったが、2年春には攻守にスランプに陥った。順風満帆だったわけではないが、そのすべての経験を糧とし、成長してきた。

 パイオニアとしても期待がかかる。福島・いわき市の少年野球チーム「小名浜少年野球教室」に所属していた西巻は小学6年の時、楽天ジュニアに選ばれた。東日本大震災を乗り越え、2011年の「NPB12球団ジュニアトーナメント」に出場。背番号7の楽天のユニホームに袖を通し、プレーした。

 楽天では松井裕樹投手が横浜ジュニア、小野郁投手がソフトバンクジュニア、オコエ瑠偉外野手が巨人ジュニア、藤平尚真投手がロッテジュニアだったが、楽天ジュニアだった選手がNPBから指名されたのは初めて。それも、楽天からの指名とあって、「不思議というか。今度はプロとしてやるので、頑張らないといけない」と西巻。当時のユニホームは福島・会津若松市の自宅に飾ってあるという。

東北出身の西巻への思い「楽天ファンも、高校野球ファンも、期待はすごく大きいと思う」

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