発足から14年の「みやざきPL」、発展支える事務局スタッフが語る変遷

「次代のプロ野球界を担う若手選手たちを、いち早く見つける楽しみがある」

――受け入れる側としてのご苦労は?

「一番大変なのは、練習や試合運営補助などのアルバイトさんの募集ですね。最大で県内8球場で試合があります。平日開催も1球場あたり11人、最大で1日80人を超えるアルバイトさんを集めるのは大変です。グランド整備はそれぞれの球場のグランドキーパーさんにお任せしますが、今年のように雨が多いと整備も大変です。

 フェニックス・リーグはすべて入場無料です。球場数も多いですし、有料にするとスタッフの増員等も必要になり、採算が難しい。それでも、経済効果は大きいです。16球団300人以上の方が宮崎に3週間も宿泊されます。ホテル代、飲食代も大きいですし、ランドリー代などいろんな出費もされます。この時期、宮崎は観光シーズンですが、それに加えて県下市町村に大きな収益をもたらしています。

 観戦客は県内や九州近県から来られるファンが多いですが、昨年から全日空さんに『ANAの旅作』という飛行機を利用した旅行プランを作っていただきました。こういう形で、少しずつ全国に広がっています」

――フェニックス・リーグの魅力を教えてください。

「何と言っても、次代のプロ野球界を担う若手選手たちを、いち早く見つける楽しみがありますね。各球団の主力選手、侍ジャパンのメンバーのほとんどは、フェニックス・リーグの経験を経て成長していったのではないでしょうか。

 また、CSや日本シリーズを控えて、大物選手が実戦感覚を取り戻すために出場することもよくあります。今年も、CSファーストステージを控えた阪神の能見篤史投手が投げました。フェニックス・リーグは、そういう有名選手がプレーすることも珍しくありません。ただ出場するかどうかは当日まで分からないので、宣伝することができないのは残念ですが。

 春季キャンプは、最近沖縄で行う球団が増えて、宮崎は少し分が悪いですが、秋の教育リーグは宮崎です。秋季・春季のキャンプ地としてはもちろん、フェニックス・リーグも含めたプロ野球の受け入れ体制を、これからもどんどん充実させていきたいですね」

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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