不慣れな救援で貢献の前田健太「この1か月間は今までの人生の中で一番緊張」

ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】
ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

PS登板9戦でわずか1失点「徐々に信頼を得ていけてると実感できた」

 ドジャース前田健太投手は1日(日本時間2日)、アストロズと戦ったワールドシリーズ(WS)に3勝4敗で敗れ、「こうやって最後まで来れたので、やっぱりどうしても勝ちたかった」と悔しさをにじませた。

 最終戦となった第7戦。マウンドに上がるチャンスはなかったが、最後まで優勝を信じてブルペンから戦況を見守った。残念ながら一歩及ばず。チームは1988年以来の世界一を逃したが、目の前で優勝を喜ぶアストロズに完敗したとは思っていない。

「どちらもいいチームだったと思いますし、ただ勝負には勝ち負けが付いてしまう。今回は負けてしまいましたけど、明確な差っていうのはなかったと思います」

 本来は先発ながら、ポストシーズン(PS)では救援に配置転換された。不慣れな役割ながら「チームがチャンピオンになるためには与えられた役割で結果を出す」と1つずつアウトを重ねることに徹した。その結果、PSでは通算9試合で10回2/3を投げて、5安打10奪三振2四球1失点の快投。WS第5戦でアルトゥーベに被弾するまで、地区シリーズから7戦連続無失点の完璧救援を続けた。

 走者を背負った場面、回またぎの登板。難しい場面で起用されながら結果を残し、「監督だったりチームメートだったりファンの人もそうですけど、徐々に信頼を得ていけてると実感できた」と振り返る。その瞬間その瞬間で充実感を得ると同時に「この1か月間は今までの人生の中で一番緊張しましたし、一番プレッシャーを感じた」とも明かす。ワールドシリーズという頂上決戦でしか味わえない独特の雰囲気を肌で感じ「人として成長できたと思いますし、ピッチャーとして成長できたと思う」とうなずいた。

 これで2017シーズンは幕を下ろした。シーズンを終えた今、何をやりたいか聞かれると、苦笑いを浮かべながら言った。

「ゆっくりしたいですね。とりあえず、このプレッシャーから解き放たれたいと思ってたんで。勝って終われれば一番でしたけど。朝起きてプレッシャーを感じない目覚ましで起きたいですね。起きた瞬間にプレッシャーを感じてたんで、この1か月間っていうのは。やっぱり休みとか試合ない時でも野球のことばっかり考えますし、そういう意味で1回離れたいっていうか、リラックスできればいいかなと思いますね」

 こう話すのも、心身ともに全力を尽くした証。まずはゆっくり休みを取って、また来季、頂上を目指して全力を尽くす。

(Full-Count編集部)

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