日本一に涙のホークス工藤監督、9回内川には「確信めいたものがあった」

9回内川の打席には「確信めいたものが正直ありました」

 ドラマはここからだ。長谷川勇が今永からチーム2本目の安打となる二塁打を放ち、柳田の投ゴロの間に1点差に迫った。平凡な投ゴロで、三塁走者の城所が飛び出していたが、DeNA3番手の砂田は一塁へと送球。その間に城所がホームへと帰ってきた。

 1点ビハインドでも、9回はサファテを投入。守護神が無失点に抑えると、9回1死から4番内川が、DeNA守護神の山崎から起死回生の同点弾。工藤監督が「絶対打ってくれると確信めいたものが、正直ありました。打ってくれる、やってくれると思っていた。飛んだときにはさすがだなと。さすがキャプテン」と振り返る一振りが、絶望的な状況からチームを蘇らせた。

 延長に入っても、サファテは続投。10回、そして、まさかの11回も「キングオブクローザー」がマウンドに立った。「2イニングは予定していたけど、3イニング目も行くと言ってくれた」と工藤監督。守護神が来日後初となる衝撃の3イニング救援で無失点に封じると、その裏に歓喜の瞬間が待っていた。

「最後まで諦めない、3アウト目が聞こえるまで、みんなで繋いでいくというホークスの野球を最後の最後に出してくれた」と頼もしい選手たちに目を細めた工藤公康監督。サファテを無理使いしてまで、この日の1勝を掴みにいったソフトバンクの執念。最後の最後、最高の形で実を結んだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY