5球団競合で入団も苦闘の日々 鷹ドラ1田中正義の今 語った胸中「3か月が勝負」

ソフトバンク・田中正義【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・田中正義【写真:福谷佑介】

5球団競合ドラ1右腕が明かす胸中「本当にアピールしまくるしかない」

 再起に向けて、必死にもがいている。ソフトバンクが秋季キャンプを行う宮崎・生目の杜運動公園。日本シリーズを戦った主力組がまだ不在の中で、将来を担う若鷹たちが必死に汗を流している。即戦力と脚光を浴びながらも、右肩の違和感などで1軍登板なしに終わった昨季のドラフト1位ルーキー・田中正義投手もまた、その中の1人だ。

 2016年のドラフト会議。最多の5球団が競合し、工藤公康監督が交渉権を引き当て、鳴り物入りでソフトバンクに入団した。開幕ローテ入りも期待されたルーキーイヤー。だが、そこに待っていたものは、苦しい日々だった。

 春季キャンプは主力中心のA組に抜擢されたが、思うような投球ができなかった。3月半ばには、大学時代にも抱えていたことのある右肩の違和感を訴え、リハビリ組へ。6月に実戦復帰にこぎつけたが、その後に再び状態が下降した。8月に再び復帰を遂げ、9月23日のウエスタンリーグ阪神戦(タマスタ筑後)で初めて2軍公式戦に登板した。10月は宮崎で行われたフェニックスリーグに参加。一時の投げられない状態は脱した。

 投げたくても投げられない苦闘の日々だったルーキーイヤー。プロとしてスタートを切った1年は、ハッキリ言って納得できるものではなかっただろう。宮崎キャンプ中のある日、田中は「こうなってしまったものは、過去には戻れないので。悔しいですよ、もちろん。でも、もう、なんていうんですかね、格好つけたことを言える立場じゃないので、覚悟を決めてやるしかないと思っています」とその胸中を明かした。

 来季に向けたスタートとなっている秋季キャンプ。そこには、明らかな変化が見て取れる背番号25の姿があった。ブルペンで行っていた投球練習。ボールを投げ込むフォームは、見るからに変わっていた。

「もっともっと上に」―、言葉の端々ににじむ危機感

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