異国の地でセットアッパーに 荒波を乗り越えて輝く「ハーバード大卒右腕」
客観的な「日米比較リポート」も
久米島で行われた入団会見の場で「監督が僕を使うと勝てる、そういう自信に満ち溢れるような選手になりたいです」と意気込んだが、その言葉通り、1年目から勝ちパターンの一角として存在感を発揮。ボークで苦しむ場面も見られたが、開幕戦で1イニングを無失点に抑えていきなり初セーブを挙げると、そこから7試合連続無失点。松井裕投手につなぐセットアッパーを務め、8月頭まで防御率1点台~2点台前半を維持し続けた。
終盤にはやや不調に陥ったものの、最後の6試合を無失点に抑える快投でシーズンを締めくくる。通算で56試合に登板し、3勝1敗33ホールド1セーブ、防御率2.72という成績でチームのAクラス入りに大きく寄与。ハーマンが年間を通してチームの勝利に貢献してきたことは、福岡ソフトバンクの岩嵜に次ぐリーグ2位のホールド数が如実に表している。
そんなハーマンは、仙台の環境も気に入っているようだ。5月11日の千葉ロッテ戦でお立ち台に上がった際には「楽天ファンというのはリーグトップだと思っていますし、外で投げる解放感が素晴らしいと思います」と語った。今季の中盤、アメリカのデータサイトに日本球界に対する鋭い考察を寄稿したことで注目を集めたのも記憶に新しいが、聡明さを窺わせる客観的な「日米比較リポート」もインテリならではだ。
10月24日に帰国の途に就いたが、来季の契約は確実視されている。日本語のみならず漢字を習得するなど、慣れない異国の環境に溶け込もうとする姿勢も素晴らしい33歳。来季は真価が問われる1年となるが、不屈の精神と頭脳を兼ね備えた豪腕が、2018年も杜の都に勝利を届けてくれるはずだ。