メジャー球場に見るスタジアムの寿命、変わりゆくスタジアムの持つ意義

NFLチームとスタジアムを併用したマーリンズは2012年に専用球場を新設

 その前に新しくなったボールパークといえば、マイアミ・マーリンズが2012年から本拠地としているマーリンズパークだ。それまで、新規参入した1993年からはNFLマイアミ・ドルフィンズと併用して、同じスタジアムをホーム球場として使っていた。だがアトランタの例と同じく、野球をする・観るためのスタジアム作りとは異なっていたこともあり、新たな球場へと移転することとなった。

 これは複数のMLB球団の例に過ぎないが、各競技のリーグを含むと米国では毎年のように新たなスタジアムが生まれている。日本でも近年、本拠地移転や新球場建設の話題は増えてきている。先日、埼玉西武ライオンズの本拠地が生まれ変わるという発表があり、北海道日本ハムファイターズの本拠地移転の行方はスポーツ界だけではなく、多くの人が注目する話題となっている。シーズン中に北海道を訪れた時のことだが、タクシーの運転手ともこの話題で持ちきりとなった。地元の人達にとっても球場がどこに移転するかによって、死活問題にもなる可能性があるからだ。

 野球、そしてスポーツビジネスが大きく変わろうとしている日本でも、今後ファンを楽しませるスタジアムは欠かせない。球団にとって、選手にとって、ファンにとって、そして地域にとっても最高の環境を作り出す最善の策を考える上で、20年という期間はスタジアム寿命にとっては長いものではなくなっている。だが、まずはそれを可能とするスタジアム建設への仕組みづくりが、さらに必要となってくることだろう。

(「パ・リーグ インサイト」新川諒)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY