甲斐だけじゃない 若手が着々と成長、白熱するソフトバンクの正捕手争い
高卒ルーキー九鬼、3年目の栗原も
続いては高卒ルーキー・九鬼隆平。秀岳館高校3年時にはキャプテンを務めて、母校を春夏連続の甲子園ベスト4に導いた。高校生ナンバーワン捕手との呼び声高く、昨年、ドラフト3位で福岡ソフトバンクに入団する。入団会見では「早くて3年、遅くて5年以内には正捕手で活躍したい」と並々ならぬ決意を語った姿が印象的だった。
高卒ルーキーながら、今季3月17日のファーム開幕戦には、「9番・指名打者」でスタメン出場を果たす。最終的に、3軍で64試合に出場して打率.257ながら、チームトップの7本塁打、12盗塁を記録。まだ若く、その身には無限の可能性が秘められているだけに、球団の期待は大きいことだろう。しかし幸い選手層の厚いチームであるため、今やるべきことに時間をかけて打ち込めるはずだ。いつの日か憧れの城島健司氏のように、リーグのみならず球界を代表する捕手へと成長してほしい。
最後は今季1軍昇格も果たした3年目・栗原だ。2014年にドラフト2位で入団すると、今季はファームでの出場試合数が大幅に増加。6月13日の巨人戦では1軍デビューも果たしたが、無念の降格後、「僕は(甲斐)拓也さん以上に打たないと試合には出られない」と、悔しさを露にした。現在の自身の課題を痛感しているだけに、来季は打撃でも結果を残し、正捕手争いへ絡んでいきたい。
このように、福岡ソフトバンクにはまだ多くの有望な若手捕手が在籍し、レギュラー争いを繰り広げている。来季以降、この中から何人の選手が1軍への切符をつかみ、チームの屋台骨を支えるだろうか。常勝軍団へ成長を続ける一方で、育成にも注力して次々と有望な若手を輩出する福岡ソフトバンク。そのハイレベルなチーム内競争に、今後も注目していきたい。