ロッテ井口監督が恩師・ホークス王会長から引き継ぎたいスタイルとは…

引退記念パーティーでソフトバンク・王会長と握手を交わすロッテ・井口資仁新監督【写真:佐藤直子】
引退記念パーティーでソフトバンク・王会長と握手を交わすロッテ・井口資仁新監督【写真:佐藤直子】

21年間の現役生活を祝う引退パーティーに約550人出席

 今季限りで現役生活に幕を下ろしたロッテ井口資仁新監督の引退記念パーティーが3日、都内のホテルで開催された。

 約550人の出席者の中には、ソフトバンクの王貞治球団会長、オリックス西村徳文ヘッドコーチ、ロッテ今岡真訪2軍監督、ロッテ川越英隆2軍投手コーチ、元ソフトバンク斉藤和巳氏、阪神の鳥谷敬内野手ら、球界の恩師や仲間の姿も。さらに、國學院久我山時代、青山学院大学時代、少年野球時代の関係者なども訪れ、日米21年間の現役生活を祝った。

 97年にダイエー(現ソフトバンク)に入団し、プロ初めての監督として師事した王会長からは「彼はチャンピオンリングを2つ持っている。我々の世界はただただ上手いだけではダメ。運も持っていないとダメなんです。彼は大変素晴らしい運を持っている。これから選手を指導し、チームを勝利に導く立場になるわけですが、彼が持っている運が新たな形で生かされるのではないか」と“強運”を太鼓判。また、「日本の野球とアメリカの野球の違いを、彼なりに体で感じて知っている。やはり若い人はいい指導者、強烈な指導者を求めている。いい監督にならなくてもいい。強烈な監督として、少々強引な監督としてチームを引っ張っていってほしいと思います。前途は洋々だと思うので、第2の人生を力強く送り出すことにしましょう」とエールを送った。

 2時間半にわたる盛大なパーティーの最後には、井口監督が挨拶。「21年、素晴らしい指導者、チームメート、多くのファンの皆様に声援を頂きまして、日本一、世界一、2000本安打も打たせていただきました。来シーズンからマリーンズの監督として、しっかり選手とコミュニケーションを取って、チーム一丸となって日本一を目指していきます。マリーンズ、パ・リーグ、球界全体を盛り上げていきたいです」と力強く宣言した。

 会を終えた井口監督は「幼なじみからお世話になった人まで来てもらって、ようやく全員に挨拶ができた。21年間やらせてもらって、あっという間だった。もう『選手をやっていたんだな』と(笑)。もう監督の方に頭が動いていて、現役から意外と自分の頭の中は切り替わっている」と笑顔を浮かべた。監督として始動して約2か月。秋季キャンプから個人練習に多くの時間を割き、選手の自主性を促す「カラー」を見せている。監督のメッセージは選手にも伝わっているようで「何度か球場に行った時も、朝からバッティングをやっている選手がいっぱいいた。もっとみんな休んでいると思ったんですけど、精力的に動いてくれているので非常に楽しみですね」と手応えを話した。

 恩師・王会長から引き継ぎたいスタイルもある。

「的確なアドバイスを常にいただいていたので、自分もいろんな場面で、選手が迷うアドバイスではなくて、理解してくれるような的確なアドバイスを送れたらいいなと思います」

 的確なアドバイスを送る強烈な監督を目指し、井口監督が第2の野球人生を歩み始める。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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