「選手会長」「第3捕手」「背番号4」 楽天28歳外野手に課された使命
秋季キャンプでは約2年ぶりに捕手としてブルペン入り
それから4年が経過した今季。楽天はシーズン中盤まで、4年前を彷彿とさせる強さで首位を走っていた。岡島も長きにわたって打率3割台を維持し、チームの快進撃を支える。しかし、7月23日のオリックス戦、右翼守備の際にファウルゾーンに滑り込み、左肩を亜脱臼。戦線離脱を余儀なくされた。約1か月後に復帰したが、チームは大型連敗を経験して優勝争いから脱落。岡島自身は、111試合342打数89安打3本塁打32打点、打率.260という成績で6年目のシーズンを終えた。
12月7日、契約更改に臨んだ岡島は、その後の記者会見で「せっかく立場をもらったので、球団とも話して、選手とも話して、よりよい方向へいくように進めていきたい」と、新・選手会長としての決意表明。もともとベンチでの声出しや明るい振る舞いで、チームを鼓舞してきたムードメーカーだ。
怪我でチームを離れていた時期は、指揮官やエースから「早く戻ってきてほしい」、「ベンチにいるだけで違う」と復帰を熱望されていた。肩書きが与えられたことで、今後はさらなるリーダーシップを発揮してくれるだろう。
また、秋季キャンプでは約2年ぶりに捕手としてブルペンに入り、投手のボールを受けた。来季はベンチ入り捕手が2人になる可能性があり、有事の際のバックアップとして白羽の矢が立った形だ。7年目の来季は、最早がむしゃらな若手としてではなく、「新・選手会長」としても「第3捕手」としても、グラウンド内外でチームをけん引することが求められる。
奇しくも岡島の背番号「4」を、楽天の創設時に背負った高須洋介氏が、来季から1軍打撃コーチに就任する。現役時代の同氏は2代目の選手会長を務め、勝負強い打撃で「必殺仕事人」と呼ばれた。ただ現状に甘んじてチャンスを待つばかりではなく、自ら声を上げて「外野手・岡島豪郎」の道を切り開いた4年前のように。「選手会長・岡島豪郎」の誕生が岡島自身にとってもチームにとっても、さらなる躍進の契機となることを期待する。