大物選手が対象となったケースも…パの「人的補償による移籍」を振り返る

脇谷は人的補償で西武に移籍後、FAとなって巨人に復帰

◯岡本真也氏(2008年、中日→埼玉西武)
 2000年にドラフト4位で中日に入団。2004年には自己最多の63試合登板、防御率2.03で最優秀中継ぎに輝いた。2008年、和田一浩氏の人的補償で埼玉西武へと移籍し、その年のチームのリーグ優勝と日本一に貢献している。

◯高濱卓也内野手(2011年、阪神→千葉ロッテ)
 2007年ドラフト1位で阪神へ入団。プロ入り3年間は1軍未出場。2011年、小林宏之氏の人的補償で千葉ロッテへ移籍した。2014年、イースタン・リーグ首位打者、最高出塁率、技能賞を獲得。来季は1軍で定位置をつかみ取りたい。

◯馬原孝浩氏(2013年、福岡ソフトバンク→オリックス)
 2003年に福岡ダイエーホークスに入団し、守護神として活躍した。2007年にはセーブ王に輝いている。2012年は怪我の影響で1軍登板なし。すると翌年、寺原隼人投手の人的補償でオリックスへの移籍が発表される。故障を抱えていたとはいえ、スター選手の「電撃移籍」として野球ファンに衝撃を与えた。ただ、移籍2年目の2014年には自己最多の55試合登板。33ホールドポイントを挙げて、華麗な復活劇を見せた。

◯脇谷亮太内野手(2014年、巨人→埼玉西武)
 2005年に大学・社会人ドラフト5位で巨人に入団。2011年に怪我の影響で育成選手となるも、そこから這い上がってきた。2014年に片岡治大内野手の人的補償で埼玉西武へ移籍する。そして2015年に古巣・巨人へ復帰。これは「人的補償で移籍」した選手が「FAで移籍」する初のケースだった。

◯金田和之投手(2016年、阪神→オリックス)
 2012年ドラフト5位で阪神に入団。2016年オフ、糸井嘉男外野手の人的補償でオリックスへ移籍した。移籍1年目の今季は、34試合に登板して4勝1敗、6ホールドポイント、防御率4.15の成績を収めている。来季は勝ちパターン入りを目指したいところ。

 人的補償選手と言うと、旧球団がFA移籍選手の補償として獲得することのできない「任意に定めた28名」から外れていることもあり、ネガティブなイメージがあるかもしれない。しかし、思わぬ形で球団・リーグを越境することになった選手たちの中で、これをチャンスと捉えて飛躍を遂げた選手も少なくなかった。近いうちに増井、野上、大野の移籍に伴う補償内容が発表される。まだまだストーブリーグから目が離せない。

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