動きの遅いメジャーFA市場、最大の原因は「質の悪さ」と米メディアは辛口

去就が注目されるカブスのジェイク・アリエッタ【写真:Getty Images】
去就が注目されるカブスのジェイク・アリエッタ【写真:Getty Images】

今オフWAR最高値はフレイザーの6.8、15年はグリンキーの13.6

 メジャーのフリーエージェント(FA)市場は今オフ、前例を見ないスローな動きを見せている。投打の目玉とされるダルビッシュ有投手(ドジャースFA)、ジェイク・アリエッタ投手(カブスFA)、J.D.マルティネス外野手(ダイヤモンドバックスFA)、エリック・ホズマー内野手(ロイヤルズFA)ら大型契約を勝ち取りそうなFA選手の去就が決まらないまま、1月も中旬に差し掛かろうとしている。

 前代未聞の事態に様々な米メディアが“原因究明”記事を掲載。米スポーツ専門局「ESPN」電子版では、データ解析に定評のあるデーブ・スコーエンフィールド記者が「超スローなホットストーブシーズンの理由」と題した記事の中で、原因と考え得る「10」の理由を挙げている。

 第1の理由として挙げられたのが「今オフのFA市場の質が悪い」ということだ。過去2年と今オフ、そして来オフのFA上位15選手をピックアップし、それぞれの合計WAR(選手の勝利への貢献度を示す指標)を比較。すると、2015年オフのFA市場は合計WARが113.5、2016年オフは81.7、今オフは67.1となり、最近3年で今オフは最低値になる。さらに、ブライス・ハーパー(ナショナルズ)、マニー・マチャド(オリオールズ)らがFAとなる来オフは、合計WARが116.8に上ると予想されている。

 今オフのFA選手で最もWAR値が高い投手はダルビッシュで6.4、野手はトッド・フレイザーで6.8。投打のトップWARが7.0を超えていないのは、比較した4年の中で唯一今オフだけだ。2016年オフのWAR最高値はヨエニス・セスペデス(メッツ)の9.2、2015年オフはザック・グリンキー(ダイヤモンドバックス)の13.6、来オフはジョシュ・ドナルドソン(ブルージェイズ)の11.8となっており、今オフは例年と比較して全体的にレベルが低いと厳しい評価を下した。

今オフのFA上位15選手のうち13人の代理人が敏腕ボラス氏

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