「平成の怪物」松坂大輔の原点 20年前のセンバツで見せた5完投3完封

中日で再起をかける松坂大輔【写真:荒川祐史】
中日で再起をかける松坂大輔【写真:荒川祐史】

全5試合で完投勝利、3完封を記録して優勝投手に

 松坂大輔投手が中日ドラゴンズに入団し、盛り上がりを見せるプロ野球界。「平成の怪物」と呼ばれ、数々の名勝負を演じてきた右腕が、その名を全国的に轟かせたのは1998年、第70回選抜高校野球大会だった。強豪・横浜高校のエース、そして4番として、高校野球ファンの注目を独り占めにした大会だったとも言える。

 あれから20年が経過。今年は第90回記念選抜高校野球大会が3月23日に開幕する。記念大会のため出場校は例年より4校多い36校。注目の発表は1月26日に行われる。今回はいま一度、20年前に横浜高校の松坂大輔が演じた激闘を振り返ってみたい。

〇2回戦 vs報徳学園(兵庫)6-2
「平成の怪物」松坂の伝説は、ここから始まった。横浜は前年秋の明治神宮大会を制しており、優勝候補として注目を浴びた。初戦の相手は地元兵庫・報徳学園。4回に後藤(現DeNA)のタイムリーで先制すると、5回にも1点を加え、7回には長打3本で一挙4点を奪った。松坂は最終回こそ2点を失ったが、150キロの直球を武器に9回6安打8奪三振2失点の好投を見せ、甲子園1勝目を挙げた。

〇3回戦 vs東福岡(福岡)3-0
 前評判の高かった右腕・村田修一(前巨人)とのエース対決。それでも圧巻の投球を見せたのは松坂だった。村田修一、田中賢介(現日本ハム)ら強打が自慢の東福岡打線を相手に、三塁を踏ませない完璧な投球で13奪三振を記録。打っても6回に先制打を放つなど投打で活躍し、9回2安打13奪三振の完封勝利で2勝目を手に入れた。

〇準々決勝 vs郡山(奈良)4-0
 東福岡を完封した松坂の勢いは止まらなかった。初回こそ2死一、三塁のピンチを招いたが無失点で切り抜けると、その後は危なげない投球で9回5安打8奪三振無失点。打たれた安打は全て単打と、ほぼ完ぺきな内容で2試合連続完封を記録した。

〇準決勝 vsPL学園(大阪)3-2
 春、夏合わせて甲子園で最も苦しめられた相手が、古畑和彦、大西宏明(元近鉄など)、田中一徳(元横浜)ら全国でもトップクラスの選手が揃っていたPL学園。5回を終え両チーム無得点だったが6回に古畑に2点タイムリーを浴び、松坂は今大会初めて先制を許す。それでも横浜打線は2点を追う8回に同点に追いつくと、続く9回はスクイズで点をもぎとり、決勝進出を決めた。松坂は9回5安打2失点8奪三振の力投だった。

〇決勝 vs関大一(大阪)3-0
 決勝の相手はエース・久保康友(前DeNA)を擁する関大一。ここまで全4試合に完投していた松坂だが、決勝の舞台でもその投球は健在だった。走者を出せば犠打などで確実に塁を進めてプレッシャーを与えてくる関大一だったが、松坂は要所でギアを上げ得点を許さない。打線は2回に先制し、7回には2点を奪って援護。松坂は9回4安打7奪三振無失点の快投を見せ、選抜王者に輝いた。全5試合に完投、3完封と圧倒的な成績を残した右腕は、続く夏の甲子園でも数々の死闘、激闘を見せ春夏連覇を果たすことになる。

 甲子園の活躍から20年。中日で再起をかける松坂に期待したい。

(Full-Count編集部)

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