脅威の“ファウル打ち”中島卓也 記念すべき「初体験」を糧に飛躍期す今季
不振、ケガに苦しみ自己ワーストの成績に終わる
しかし、2017年は一転して苦難のシーズンに。開幕当初から不振に苦しみ、8月上旬ごろまで打率が2割に届かない。試合中の負傷によって、2015年から続いていた2年連続フル出場もストップ。ようやく状態が上向いてきた矢先に再び怪我に見舞われ、最終的にはレギュラー定着後自己ワーストとなる91試合、打率.208、11盗塁という成績に終わってしまった。
その一方で待望の記録も飛び出した。7月30日の福岡ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で、プロ9年目、通算2287打席目にして初アーチを描いたのである。地元の福岡でノーアーチ記録に終止符を打ち、「初めてなので。ああいう感覚なんですね」と喜んだ中島卓選手は、「ずっとやりたかった」という当時チーム内で流行していたホームランパフォーマンスも笑顔で披露した。
アマチュア時代を含めても初めて、文字通り「人生初」の一発。記念すべき初体験を味わったシーズンを終えると、オフにはこれまた自身初となる選手会長への就任が発表された。10年目の節目を迎えるシーズンに、27歳で任された大役。チームの立て直しに向け、精神面でも重要な役割を担うことになった。
絶大な存在感を誇った大谷翔平投手(現エンゼルス)と、前選手会長である大野奨太選手(現中日)が退団し、2018年、チームは大きな岐路を迎えるだろう。そんな中で、中島卓選手の技術と経験は貴重なもの。走・攻・守の全てで仲間たちを引っ張り、北の大地で躍動するチームリーダーの勇姿を楽しみにしたい。