メジャー500登板視野、田澤純一が挑む米10年目の復活「もう一踏ん張りしたい」 

米で迎える10年目「今年は勝負の年。自分を変えるいい機会」

 骨格や筋肉の作用など体の仕組みに興味を持ち、トレーナーらのアドバイスを受けながら投球動作やトレーニングに対するアプローチや意識を変えたことで、37歳の時にキャリア最速159キロを記録した人物がいる。田澤が敬愛する大先輩、斎藤隆氏だ。そして、沖縄で一緒に自主トレに励むNPB通算500試合登板を達成した楽天・青山浩二投手の存在にも刺激を受ける。 

「隆さんは35歳でメジャーに移籍して、そこからまた一段階上がった方。ああいうケースは稀だとは思うんですけど、僕もその1人になれたらいいなと思って、もう一踏ん張りしたいですね。 

 青山さんの500試合登板は、本当にすごいと思うんですよね。僕は今、357試合登板だから、あと150くらい。到達するまで、まだ2年ちょっとは掛かると思う。そうやって実績を積み重ねた方と一緒に練習をできるのは幸せですね。僕より全然体が強いですし、バリバリ動いている姿を見ると刺激になります」 

 トレーニング方法には変化をつけたが、田澤の野球に対するアプローチは変わることはない。 

「基本的には1日1日をどう過ごしていくか。今はキャンプに向けてどうやって体を作っていくか。そういうことの積み重ねだと思っている。長期的に『こうなれたらいいな』っていうイメージはありますけど、1日1日の積み重ねで少しでも長く野球ができればいいなと。 

 このオフから始めたトレーニングも、すぐに効果が出るわけではないと思います。これもまた積み重ねが大事。少しでも長い野球人生を送るためにも、今年は勝負の年。自分を変えるいい機会だと思って、新たな取り組みを信じつつ、1日1日を積み重ねていこうと思います」 

 新オーナーを迎え、再建真っ只中のチームだが、外野の声は気にせずに「自分のやるべき仕事に集中して、そういったチーム環境の中でも、自分の役割が確立できればいい」と話す右腕。10年目の節目に再びマウンド上で思い切りのいいピッチングを見せつけたい。 

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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