中日期待の3年目ドラ1左腕が行き着いた形 「1年間投げるために…」

春季キャンプに参加している中日・小笠原慎之介【写真:福谷佑介】
春季キャンプに参加している中日・小笠原慎之介【写真:福谷佑介】

1年目は2勝6敗、2年目は5勝8敗と2年間は黒星が先行

 より一層の飛躍を遂げる1年にしたい。プロ3年目。中日の未来を背負う投手の1人、それは左腕の小笠原慎之介投手だろう。

 2月1日、沖縄・北谷町でスタートした春季キャンプ。背番号11を背負う左腕は、早速、フリー打撃のバッティングピッチャーとしてマウンドに上がっていた。右打者の石川駿に27球、左打者の石岡にも27球。打者がスイングした34球中17球がファールとなる、キレのあるボールを投げ込んだ。

「バランスがいい時と悪い時のボールの質がバラバラだったので、課題が残りました。とにかくピッチングで1球1球大事に、バランス良く投げていきたいです。いい球の感覚は良かったので、その確率を上げていきたい。とにかくバランス良く、力感なく強いボールを投げられるようにやっていきたい」

 こう振り返った小笠原は、東海大相模高から2015年のドラフト1位で入団。ルーキーイヤーの5月に1軍デビューを飾ると、15試合に登板し、そのうち12試合で先発。プロ初勝利もあげた。昨季は先発ローテの一角を担い、22試合に登板した(先発は19試合)。ただ1年目は2勝6敗、2年目は5勝8敗と黒星が先行。3年目の2018年こそは2桁勝利を、と期待されている。

 1年間を戦い抜くために行き着いたのが、先のコメントにある「力感なく、強いボールを投げる」こと。過去2年間での経験から「1年間投げるためには、ただ一生懸命投げてます、じゃダメなので。シーズンもたない。無駄な力を使わずに、いい球を投げるのがいいのかなと」と考え、そのためのフォーム作りに腐心している。

「岩瀬さんや松坂さんにも言われたことなので。リリースまでは力をなるべくゼロか、1割、2割くらいにして、リリースで8割くらい出せるように。余分な力が入ると、投げるまでに7割、8割になってしまう」

 同世代の高卒新人の先頭を走っている小笠原。2桁勝利へ、竜のエースへ。20歳の左腕が飛躍に向けたキャンプをスタートさせた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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