NPB牽引するジャイアンツ&ホークス徹底比較、両名門が残す驚異の足跡
王貞治は打撃3部門を独占、さらに史上最多9回のMVPを獲得
〇MVP
ジャイアンツ
王貞治9回、長嶋茂雄5回、川上哲治3回、松井秀喜3回、ヴィクトル・スタルヒン(須田博)2回、別所毅彦2回、藤田元司2回、アレックス・ラミレス2回、沢村栄治、中島治康、水原茂、呉昌征、大友工、与那嶺要、堀内恒夫、江川卓、原辰徳、山倉和博、ウォーレン・クロマティ、斎藤雅樹、桑田真澄、小笠原道大、阿部慎之助、菅野智之ら。
ホークス
野村克也5回、山本一人(鶴岡)3回、松中信彦2回、柚木進、岡本伊三美、飯田徳治、杉浦忠、ジョー・スタンカ、門田博光、工藤公康、城島健司、杉内俊哉、和田毅、内川聖一、柳田悠岐、デニス・サファテら。
球界屈指の名門球団だけに錚々たる顔ぶれが最高の栄誉を受賞している。この顔ぶれを見るだけで、83年目を迎えるプロ野球の歴史が目に浮かんでくるようだ。
〇3冠王
ジャイアンツ
王貞治2回、中島治康1回
ホークス
野村克也1回、松中信彦1回
3冠王は11回記録されているが、1球団で複数の選手が記録したのはジャイアンツとホークスだけ。この2球団で半数の5回を記録している。
〇打撃通算1位
安打数
ジャイアンツ 王貞治2786安打 ホークス 野村克也2813安打
本塁打数
ジャイアンツ 王貞治868本塁打 ホークス 野村克也645本塁打
打点数
ジャイアンツ 王貞治2170打点 ホークス 野村克也1940打点
盗塁数
ジャイアンツ 柴田勲579盗塁 ホークス 広瀬叔功 596盗塁
安打数、本塁打数、打点数は、NPB史上でも屈指のレコードホルダーである王と野村が独占している。球史に残る両雄だ。盗塁数は柴田はセ・リーグ1位、NPB3位、広瀬は福本豊に次ぐNPB2位だ。
〇投手通算1位
勝利数
ジャイアンツ 別所毅彦221勝 ホークス 皆川睦雄 221勝
奪三振数
ジャイアンツ 槇原寛己2111個 ホークス 杉浦忠 1756個
セーブ数
ジャイアンツ 角三男、クルーン93セーブ ホークス 馬原孝浩 180セーブ
偶然にも両軍の最多勝は同じ221勝。実は別所は戦前から南海(ホークス)の大エースだった。1948年、別所はジャイアンツに移籍、しかし南海はこれを承認しなかったため「別所引き抜き事件」という大事件に発展した。ジャイアンツには沢村栄治、スタルヒン、堀内恒夫、江川卓、桑田真澄と優秀な先発投手がたくさん出たが、セーブを稼ぐクローザーは出なかった。ホークスは、杉浦忠、斉藤和巳など先発投手もいたが、最近は馬原、ペドラザ、サファテと優秀なクローザーも輩出している。このあたりがチームカラーの違いだ。
ジャイアンツ、ホークス両チームで活躍した選手には、前述の別所毅彦(南海時代は別所昭)以外にも山内新一、大道典良、現役の杉内俊哉、2月10日のOB戦で登場した工藤公康、小久保裕紀などがいる。そして何より、巨人最高の打者、王貞治は今、ソフトバンクの会長だ。リーグは違うが、両チームは、NPBを牽引する名門チームとして、切磋琢磨しているのだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)