西東京のドクターK、「顔に自信」右サイド、日本人最速左腕…鷹育成は宝の山?

千賀も称賛する最速158キロ左腕

〇川原弘之投手
川原は、プロ9年目の26歳。2009年ドラフトで、支配下選手として2位という上位指名を受けている。2012年のウエスタン・リーグでは、当時の日本人左腕最速の158キロ(参考記録)を叩き出し、速球派左腕としての活躍が期待された。

 しかし度重なるケガに苦しめられ、左肩の手術とトミー・ジョン手術を受けた2015年オフ、長期間に渡って実戦復帰が見込めないこともあって支配下契約を解除される。育成契約を結び、背番号「122」として、新たなスタートを切ることになった。

 そして昨季。6月10日の楽天との練習試合で2年8か月ぶりの復帰登板を果たすと、走者を出しながらも1回を無安打無失点に抑える。その後も3軍で登板を重ね、10試合2勝2敗、防御率3.21という成績を残した。

 今オフ、チームメイトの千賀や石川らの自主トレ合宿に参加。そこで千賀から「一番すごい」と称賛された。評論家時代の工藤監督には「モノが違う」と言わしめ、さらに秋山幸二氏、王貞治氏も注目する未完の大器。1軍のマウンドへ返り咲く日が待ち遠しい。

 このように、福岡ソフトバンクの育成選手には次世代のスター候補が数多く在籍している。ただ、「お前たちはプロじゃない」という厳しい声もかけられるのが育成選手というもの。先達のシンデレラストーリーはドラマチックだが、いかに実力社会といえども、育成選手と支配下選手のスタート地点には差があり、与えられるチャンスは決して平等ではない。

 ただ、育成選手が成り上がる上で「実績」のある福岡ソフトバンクの環境は、比較的頼もしいものであるとも言えるだろう。リーグ屈指の育成環境のもとで、可能性あふれる選手とコーチ陣が、二人三脚でどのような成長曲線を描いていくか、注目していきたい。

【動画】昨季はファームで好投を見せたSB長谷川宙輝

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