エ軍で始動の大谷翔平、球団39年目の職員が語る衝撃「ジム・アボット以来」

記者会見での大谷翔平【写真:西山和明】
記者会見での大谷翔平【写真:西山和明】

球団社長は「まるでトラウトのようで驚いた」

 二刀流で注目のエンゼルス大谷翔平投手が14日(日本時間15日)、米アリゾナ州テンピで初めてのキャンプインを迎えた。かのベーブ・ルース以来となるメジャー“二刀流”の実現を目指す23歳には、各方面から高い関心が寄せられている。

 キャンプ初日の練習終了後には、キャンプ施設に隣接するホテルで“異例”の記者会見が開かれた。会場に集まったメディアの数は、日米合わせて約150人。会見の司会進行を務めたエンゼルスのティム・ミード広報部長は、大谷が与えるインパクトの大きさを「ジム・アボット以来の大きさだ」と証言した。

 ジム・アボットといえば、生まれつき右手首から先がなかったが、高校・大学とエースとして活躍した隻腕投手だ。1988年ドラフト1巡目でエンゼルスに指名された左腕は、同年のソウル五輪決勝の日本戦に登板し、アメリカ代表を金メダルに導いた。メジャーでは263試合に登板し、87勝108敗、防御率4.25の成績。1989年のルーキーイヤーから3年連続2桁勝利を収め、一大センセーションを巻き起こした。

 今年でエンゼルス勤務39年目を迎えるミード広報部長は、アボットが球団そして球界に与えたインパクトの大きさを鮮明に覚えている。そして今、日本からやってきた“二刀流”を間近にし、「当時に匹敵するインパクトの大きさを感じている」と話した。

 また、12月に本拠地エンゼルススタジアムで行われた入団会見時には、ジョン・カーピーノ球団社長が大谷について「まるでトラウトのようで驚いた」と話していたことがある。いまや球団の看板を背負うスタートなったトラウトだが、その人柄は誰よりも大人で心が広く、誰よりも謙虚。ファンサービスという点でも球団随一だ。決して名声に溺れることなく奢らないトラウトと同じ資質を、出会った瞬間に大谷の中に感じたという。

 幹部から球団史に残るインパクトを残した選手と、球団を代表する選手に匹敵すると太鼓判を押された大谷は、ひょっとしたらエンゼルスでスターとなる運命の下に生まれてきたのかもしれない。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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