日ハムの“鉄腕”宮西、ヒヤリ 左膝裏を痛めて緊急降板も…「大丈夫です!」

日本ハム・宮西尚生【写真:石川加奈子】
日本ハム・宮西尚生【写真:石川加奈子】

足をかばう素振りに吉井コーチ「強制終了」、本人は「シーズン中だったら投げている」

 日本ハムの宮西尚生投手が3日、本拠地でのロッテ戦で左膝裏を痛めて緊急降板した。試合後に本人は軽傷を強調したが、勝利の方程式に欠くことのできない左腕の降板は周囲をヒヤリとさせた。

 吉井理人投手コーチが血相を変えてベンチから飛び出した。7回に4番手でマウンドに上がった宮西が先頭の細谷を中飛に打ち取った際、左足をかばう素振りを見せたからだ。

 10年連続50試合以上登板している鉄腕は「(イニングの)最後まで投げる」と言い張ったが、次打者の吉田を三振に仕留めると交代を告げられた。「本人はマウンドを降りるのは恥ずかしいと言いましたが、そういう年じゃないだろうと。2人で強制終了しました」と吉井投手コーチは説明した。

 宮西の続投志願には理由があった。直球の質を確かめた2月24日・中日戦に続き、この日の登板ではどうしてもスライダーのキレを確かめたかった。吉田から狙い通り内角低めのスライダーで空振り三振を奪って納得。「スライダーの反応を見たかった。最後に三振を取れて、やってきた方向性は間違っていないと確認できた。(15年10月の左肘)手術の前の感覚にようやく戻れたかなという手応えをこの2試合でつかむことができた」とうなずいた。 

 この日痛めた左足は幸い大事には至らなかった。宮西は「シーズン中だったら投げている。監督が“やめて”と言うので」と苦笑い。膝の後ろの痛みは初めてというが「張りでしょう」と心配はしていない。

 プロ10年目の昨季は防御率3.32と不本意な成績に終わった。オフは12月にハワイ自主トレを行うなど例年以上に激しいトレーニングを積んできた。筋量を増やして体重は3キロアップ。「蹴る力がついたし、今年は追い込んで体が疲れていることもある」と原因も把握している。「大丈夫です!」と明るい表情で言い切り、球場を後にした。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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