忘れてはいけない“強み” マイナーキャンプ降格の中後悠平が再確認したこと
「とにかく(失点)ゼロ。ゼロに越したことはない」
マイク・ブッチャー投手コーチは開幕後に中後がメジャー昇格する可能性があることにも触れつつ、「彼には十分な武器があるが、カウントをうまくコントロールしないといけない。そこが課題だ」と話した。ただ、制球を重視するあまり、持ち前のダイナミックな投球が小さくまとまっては意味がない。ここでも“強み”は消してはいけないと、本人は考えている。
「コントロール重視で腕を振れずに終わってしまうのも嫌ですし、しっかり腕を振って空振りを取れてなんぼなので。ボールでも、その球を振らせるぐらいの球を放れば、スライダーでも真っ直ぐでもそういうピッチングがあるわけですから、全てストライクを放るわけではない。そういう自分の納得できる球を多くしたいですね。ストライクゾーンだけに投げるのではなくて。それはメジャーのスプリングトレーニングでも一緒でしたけど」
ダイナミックさを生かしたいかという問いには「そうですね」と答え、「自分の持ち味は、やっぱり左の変則的なフォームで投げてるわけですから、その中でも球威のあるボール、キレのある変化球を投げられたら、なお良いので、そういうところも持続というか、やっていきたいですけどね」と続けた。
マイナー契約ながら2年連続でメジャーキャンプに招待選手として参加し、開幕前に“降格”となった。ただ、本人は「去年もメジャーキャンプを経験して“カット”を経験しているわけですから、落ち込むとかはないですね」と前を向く。
「去年もそうですけど、シーズンを通してのトータル面での結果が求められるわけで。監督とかにも、この2年間しっかりマイナーで結果を残してくれたから安定感のあるピッチングをメジャーでもやってほしい、ということを言われて、その中でオープン戦で全然安定感のないピッチングをしたので。切り替えてやっていくしかないです」
シーズン中にも必ずチャンスは来る。そのときに結果を残していることが重要となる。「自分の持っている球でやっていくしかない。とにかく(失点)ゼロ。ゼロに越したことはないので、そこをしっかりこだわっていきたい」。長所を生かし、結果を残す。悲願のメジャー昇格をつかむため、迷いはない。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)