開幕後も好調続くか…過去10年のオープン戦最優秀防御率投手の命運は?
2011年田中、2016年和田は好調維持も…
2011年の田中投手は最多勝、最優秀防御率、最優秀投手(現在の最高勝率)の3冠に輝き、自身初となる沢村賞も受賞。24勝0敗という大記録を打ち立てた2013年に次ぐ好成績を収め、球界トップクラスの投手としての地位を不動のものにした。
2016年は日本球界復帰初年度だった和田投手は圧巻のピッチング。シーズンに入ってからも好投を続け、見事に最多勝と最高勝率の投手2冠を獲得している。
2008年の武田勝氏や2013年のウルフ投手も、主戦投手として活躍した前年に近い成績を残し、オープン戦での好調をシーズンに持ち込むことに成功している。
しかし、シーズン前の好調から一転して不振に陥るケースも少なくはない。
2009年の清水直行氏は前年に13勝を挙げており、エースとしての活躍が期待されていた。ところがシーズンに入ると、チーム全体の不振に引きずられたかのように最後まで調子が上がらず、不本意な1年に。最後まで往時の輝きは取り戻せなかった。
2012年には、大ベテランの下柳剛氏が楽天の一員として臨んだオープン戦で健在ぶりを見せ付け、見事に開幕ローテーション入りを勝ち取った。しかし、公式戦ではかつてのような投球術を披露することはできず、同年オフに戦力外通告を受けている。
2014年は埼玉西武の新外国人選手・レイノルズ投手が、出色のピッチングを見せた。期待が高まったが、シーズンでは振るわず。日本でのプレーは1年限りとなってしまった。
昨年はオリックスの新外国人左腕・コーク投手が好投を披露し、来日1年目から投手陣の一角に割って入る期待が広がった。しかし、胸郭出口症候群に悩まされたこともあって本領を発揮できないまま日本を去ることに。現在はメジャー復帰を目指しているという。
以上のように、オープン戦で好投した投手がシーズンに入ってからも活躍できるとは限らないのが実情だ。とはいえ、和田投手や田中投手のように公式戦でも好調を維持し、複数のタイトルを受賞するほど充実したシーズンを送ったケースも存在する。
オープン戦の好成績を飛躍につなげる投手が現れるか、今から注目していきたいポイントの1つだ。