「殿堂入りの道を進むイチロー」…敵地で異例の選手紹介と敬意溢れる“歓待”

ジャイアンツに勝利し、カノ(左)とタッチを交わすイチロー【写真:Getty Images】
ジャイアンツに勝利し、カノ(左)とタッチを交わすイチロー【写真:Getty Images】

開幕4戦目で初めて出場機会なしも…試合前セレモニーで異例の“歓待”

 マリナーズのイチロー外野手は3日(日本時間4日)の敵地ジャイアンツ戦で開幕4試合目にして初めて出場機会がなかった。相手先発が左腕ブラックだったため、右打者のエレディアがレフトで先発し、マリナーズは6-4で快勝。だが、試合前には敵地AT&Tパークでイチローに対する粋な計らいがあり、異例の大歓迎を受けた。

 この日はジャイアンツの本拠地開幕戦。試合前にはセレモニーが行われ、両チームの選手が1人ずつスクリーンに映し出される形で紹介された。イチローはベンチスタートだったため、あらかじめスタッフ、控え選手とともに列に並び、名前がコールされるのを待った。

 そして、背番号51がスクリーンに登場すると、敵地の場内アナウンスは「殿堂入りへの道を進んでいる…イチロー・スズキ!」と紹介。サンフランシスコのファンは、相手選手に異例の大歓声を送った。さらに、ファンがイチローに拍手を送る時間を長く作るために、次の選手の紹介までしばらく“間”が作られた。

 地元記者も、この様子を「イチローに対する素晴らしい拍手」などと次々とツイッターで速報。地元メディアのブラック・ティム氏は「(場内アナウンサーの)ジョン・ミラーとジャイアンツファンによる、試合前セレモニーの選手紹介でのイチローへのリスペクトは素晴らしい。確かに彼は殿堂入りへの道を進んでいる」と感動的な様子を伝えた。

 イチローがマリナーズのユニホームを着てAT&Tパークを訪れたのは、MVPに輝いた2007年のオールスター以来。この試合ではメジャー球宴史上初のランニングホームランを放つなど大活躍していた。

 その後、マーリンズの一員としては同球場でプレーしていたが、マリナーズの選手としては初の“帰還”。今でもファンの脳裏に刻まれる名シーンを生み出してから11年が経過したものの、温かい拍手と粋な選手紹介には、殿堂入り確実と呼ばれる実績を残してきた背番号51への深い敬意が込められていた。

(Full-Count編集部)

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